Preface
   はじめに   
  

視線制御と音楽

手が不自由でパソコンの操作を視線制御や視線入力に頼ることになっても、音楽を聴く楽しみは失いたくありません。むしろ、自由に動き回れないからこそ、今まで聞こえていなかった音が聞こえてきたり、新しい気づきや感動に出会い、心から音楽を味わい楽しむことができるようになったかもしれません。私は今、そのことを実感しています。

視線制御でiTunesを使うようになって最初につまづいたのは、ボリューム・コントロールでした。オーディオ・アンプのボリュームを手で操作することができませんから、パソコン自体の音量調整(スピーカーマーク)またはiTunesの画面左上のボリューム・スライダーを操作することになりますがとんでもなく面倒です。音楽好きの皆さんはどうしているのだろうと思って「視線制御 音楽」や「視線 iTunes」でネットを検索してみても、そのような記事やブログはひとつもヒットしません。仕方がないので、自分で考えることにしました。このサイトは、そうした私なりの視線制御による音楽のページです。

WindowsPCでiTunesを使いこなして音楽を楽しむということは、WindowsPCの他のアプリも同様に使いこなすことに通じます。私の目標は「iTunesを自在につかうこなす」から「WindowsPCを使いこなす」に変化しつつあります。このHomePageは、「視線入力で楽しむ音楽/iTunes」だけでなく、視線入力でごく普通にメールやチャットを使い、MS WordやMS Excelを使い、自力でパソコンを管理できるようになることを目標としています。


ここで解説する視線制御の基本構成

パソコンおよびオーディオ環境は以下の通りで最低限を基準にしています。誰でもできるように最小限の構成とセットアップでできることを基本とします。障碍者のニーズに対応したHeartyAIなどのより高機能な環境や、Zonoなどの精密なマウス制御を併用すればより使いやすくなると思います。

・パソコン・・・・・・Windows10
・視線制御機材・・・・Tobii Eye Tracker 4C
・視線制御ソフト・・・Window10標準装備の視線制御である「スタートパッド」(ベータ版、2019.9現在)
・音楽プレーヤー・・・iTunes
Tobii Eye Tracker 4Cについては、視線制御ユーザーにとってはあまりに有名なのでここで詳しく触れることはしません。Windows10の「スタートパッド」は、設定メニューの中にある視線制御(ベータ)をONにしたと時に使えるようになる機能です。


私のこと

音楽好きの私が突然筋萎縮性側索硬化症(ALS)を発症したのは2019年、65歳のことです。右手の握力がなくなってきて当初は頸椎管狭窄と思われたのがそうではありませんでした。2019年7月22日に帝京大医学部附属病院で正式に診断されて闘病生活が始まりました。

私のは、上肢(手)の進行が先で下肢(足)の進行は遅いタイプです。問題は早くから手先が使えなくなってしまうため、メールなどのパソコンの操作に支障が出ることです。そのため、まだなんとかキーボードが打てる段階から早期に視線制御の環境づくりを始めました。

膨大な量のLPレコードやCD、これらを再生する機材はこれから先足手まといになるためほとんど手放しました。それでもCDはすでにiTunesのデータとしてパソコンに入っています。それ以外の膨大な音楽ソースをデジタル化して持っているので、手が使えなくなってもこれらが聴けるように、まずはすべてiTunesに一本化しました。

そして、1台のWindowsのパソコンとiTunesを核としてできるだけシンプル、手軽かつ快適に楽しむための試行錯誤が始まりました。
そうこうするうちに、発病のために執筆途中で断念した書籍の出版の話が復活し、視線入力で最終稿を仕上げて出版社に送りました。視線入力は工夫次第で私が思っていた以上にパソコンでいろいろなことができる可能性を実感したのです。Windows10+視線入力という制約のなかで、どれだけパソコンを今まで通り普通に使いこなすことができるか、チャレンジが始まりました。



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