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国語辞典
新明解国語辞典<第三版>
三省堂

数ある国語辞典のなかで、三省堂「新明解国語辞典<第三版>」くらい変わった内容を持つ辞典も珍しいです。見出し語のうち、編集主幹山田忠雄氏がかかわったと思われるものに対する常識を破った語訳は痛快を極めます。人の心のうちを見抜いたような味のある表現は、日本版「アンブローズ・ビアスの悪魔の辞典」といったところです。ちょっとページを開いてみてみましょう。

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おうか[謳歌]
はたから見るとうらやましくも思われる環境に身を置く幸福感を、だれはばかる所無く言動に表わすこと。

おんな[女]
(1)略、(2)一人前に成熟した女性(やさしい心根や優柔不断や決断力の乏しさがからまり存する一方で、強い粘りと包容力を持つ)。

こくぞく[国賊]
体制に対する反乱を企てたり、国家の大方針と反対したりする、いけない奴。

しっと[嫉妬]
自分より下であると思っていた者が自分よりも多くのものを持っていたことに気づいた時の、むらむらとしたねたみの気持。

せいかい[政界]
(不合理と金権とが物を言う)政治家どもの社会。

だんち[団地]
住む家の無い庶民のために、一地域に集合的に建てられた・公営(民営)のアパート群など。

マンション
スラムの感じが比較的少ないように作った、鉄筋のアパート式高層住宅。

れんあい[恋愛]
特定の異性に特別の愛情をいだいて、二人だけで一緒に居たい、出来るなら合体したいという気持を持ちながら、それが、常にはかなえられないで、ひどく心を苦しめる(まれにかなえられて歓喜する)状態。

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新明解国語辞典」は<第四版>になってすこしつまらなくなってしまいました。<第三版>を古書店で見つけたら迷わず買いましょう。

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