ちょっと待ってよ、大倉陶園は東京虎ノ門じゃないの、とお思いでしょう。確かにそのとおり、大倉陶園のショールームは東京虎ノ門角にあります。軽井沢にある大倉陶園も同じ大倉陶園です。どこが違うかというと、軽井沢の大倉陶園は夏しか営業していないということ、そして難ありの品だけを扱っているという特殊な店であるということです。大倉の焼き物は、高温で焼きあげた宝石のような光沢と密度の高い白色を持ったたいへん硬い高級食器です。高級輸入食器と変わらない高価な食器ばかりです。

夏になると、これが半額以下で買えるのが軽井沢の大倉陶園です。その昔、目の肥えたお客様の別荘使い用として特別に供給されるようになったのではないか、というのが私の想像です。

我が家のお気に入りは、やや下ぶくれの形状のモーニング・カップ、かっちりとした金の飾りのついたミート皿、魅力あるシェイプを持った小振りの花器のいろいろ、何かと便利に使える特大のオーバル皿などです。これらすべて定番製品で、いつでも補修・注文ができます。何十年にもわたって使い続けることができるものばかりです。

ところで、軽井沢の万平ホテルのダイニングのスズラン柄の食器は、すべて大倉陶園への特注で大倉の定番シェイプだってこと、ご存知でした？