東京の郊外と街のドライビング
Driving Tokyo Country and Cities


南信州高森町 / 2006.10.28

"Driving to KARUIZAWA Project" 2001.8.16
"ROVER & Cafe Restaurant" 2001.7.1
休日の都内・・・代官山、溜池、自由ヶ丘
鎌倉
伊豆・箱根
穴場の神奈川・・・広域農道小田原南足柄線
穴場の埼玉・・・大里比企広域農道
軽井沢・追分
八ヶ岳・蓼科
富士五湖・道志・丹沢
平日の都心

このページでは、東京都市部に住んでいながら、街や郊外、そしてちょっとした遠出で楽しめるドライビングのための、私のお気に入りをご紹介します。「英国の田舎と街のドライビング」でご紹介したように、英国と日本との決定的な違いのひとつに、町並みやカントリーサイドの美しさがあります。日本における都市周辺の景観はいかにも雑然ししていて、とても美しいと言えるものではありません。「ピップエレキバン」や「727化粧品」の看板、ドライブインやラーメン屋、カーディーラーの派手な看板に、なさけない店構え。それでも、探してみれば、結構楽しめる道やエリアがあるものです。豊かな都市生活を満喫するために、ちょっとでもヒントになれば、と思っています。


首都高速の法則

  1. 渋滞している首都高速でも、一般道よりは速い。
  2. 事故や工事で首都高速が渋滞したら、すぐ下の一般道はもっと渋滞する。
  3. この道路は高速道路ではない。だから、高速道路の走り方は通用しない。
(追越車線側からの合流がありしかも加速車線などはない。40km/hなんていう速度規制があり、そういうところでは突然直角に曲がったりする。2車線の真ん中に突然柱が立っていて、油断していると激突する。)

環状線の法則

  1. 環状線は内側ほど流れている。急いでいるときは中にはいってから回った方が早い。
  2. 環八>環七>山手通り>明治通り>外苑西通り>外苑東通りの順である。
  3. 環状線に有効な抜け道はない。どの環状線を選ぶかが勝負である。
  4. 環八は24時間、環七と山手は朝夕、明治通りより内側は昼間だけ混む。

休日の都内

休日の都内のドライビングの成否を決めるのは、いかにスピーディにパーキングポイントをおさえられるか、に尽きるでしょう。ご婦人を同伴して、東京都市生活ならではのデートコースをスマートにこなすのに、P探しで手間取っていては興ざめというもの。日頃の調査・研究の成果が問われます。以下に述べるように、時間帯による駐車のしやすさや、穴場Pの確保、路駐しても大丈夫なポイントの確保など、都内におけるドライビング・テクニックはパーキング・テクニックである、と言い切ってもいいかもしれません。

代官山

原宿界隈の混雑はちょっと始末が悪いですが、代官山あたりは少し頭を使うだけで、結構、快適に楽しむことができます。旧山手通り沿いにはパーキングメーターがありますが、平日や土曜日は1時間しか停められませんから、買い物+お茶なんてしようとしても時間オーバーが気になってあまり使えません。しかし、平日の19時以降や祝祭日全日はパーキングメーターはOFFになって停めやすくなります。

ポイントは、午前11時よりも前に代官山に到着することです。10時半前だったら、ヒルサイド・テラスの前の一等地も余裕でパーキングスペースをGETできます。この時間帯ですと、お店は開いているのにどこのオープンカフェも人影はまばらで、さわやかな気分でお茶タイムができます。買い物やランチを済ませても、まだ午後1時とか2時ですから、家に帰ってからもたっぷりと時間があり、充実した休日が過ごせるっていうわけです。一旦家に戻ってから、夕方、着替えて別の誰かとデートすることもできちゃうわけ。祝祭日には、早起きをして、午前中に都心を目指すこと。そうすれば、あらゆることがスピーディに片付きます。昼過ぎに出かけたら、渋滞と、パーキングの行列と、混んだお店で疲れるだけです。すべてに時間がかかってしまい、人生の無駄です。

夜19時以降のおでかけの場合、土曜日さえ避ければ、旧山手通りは夜が更けるにつれてどんどん空いてきます。どこかで食事をした後、夜9時頃をねらって代官山エリアに現れ、カフェ・ミケランジェロとかシェ・リュイのテラスでメトロポリタンな夜を語らうなんてゆーのはいかがでしょうか。

溜池

休日の皇居周辺の道路は全くのところ空いています。皇居一周など、あっという間なのです。しかし、銀座や渋谷、新宿のど真中は車だらけで停める場所なんて空いてません。そこで、何故か溜池を目指すことにします。なぜなら、そこには、ちょっとお茶で休憩ができる穴場があるからです。溜池の交差点から六本木方面に向かい、アークヒルズ直前の路地を左折します。かぎかぎになった坂道を上り詰めると、そこに一軒のオープンカフェがあり、店の前には(非合法ではありますが)堂々と車を停めることができます。このあたり、ほかに何もありませんから、お店に来た人の車しかいません。通りぬける車もほとんどありません。

この丘陵一帯は桜並木で、すぐ下はサントリーホール、その隣はアークヒルズです。裏に回ればホテル・オークラにスペイン大使館。木漏れ日のなかで、そよ吹く風を感じながらコーヒーや軽いランチとともに過ごす一時は、東京都市生活ならではの醍醐味です。ちなみに、このお店、ペット同伴OKです。但し、お行儀の悪いペットも飼い主もおことわり。服装も、それなりに気を配ってくださいね。

(画像:朝日新聞(1999.8.28)で見つけた全面広告より)


自由ヶ丘

自由ヶ丘に行くと、実によくROVERに出会います。希少な輸入車が似合う街の筆頭かもしれません。パーキングスペースは決して多くないですが、探せば、ほどなく確保できるところです。もちろん、午前中に到着するにこしたことはありません。

自由ヶ丘という街は、基本的に女性を対象とした店舗ばかりですから、おじさんだけで出向いたとしても、全く面白くないかもしれません。従って、男性は、奥様やお嬢様や恋人をエスコートして出向く、ということになるわけです。彼女達の目的はお買物であるわけですから、決して疲れたような表情など見せず、にこにこしながら、軽快に歩かねばなりません。そして、タイミングを見ては、しかるべきお茶タイムを提案し、話題のお店などに案内しなければいけません。

歩き疲れたら、古桑庵の座敷に上がり込む、なんていうのはいかが。店の構えはちょっと敷居が高そう。お抹茶800円、あんみつ800円で、お値段もちょっと高め。しかしですね、はいってみれば、その居心地の良さ、値段相応の充実度に納得されるでしょう。

ところで、自由ヶ丘に至る目黒通り。碑文谷界隈のインテリア・ショップの充実度はぴか一であります。モダン、アールヌーヴォー、アンティーク、カントリー・・・店の数だけでも20店以上。しかも、レベルの高さも一流。そういったインテリア・ショップに混じって、うまいもの店の数も知れず。このあたりほど、国産高級車が似合わない街も珍しいですね。マイナーな輸入車に会いたかったら、目黒通り碑文谷界隈ですぞ。

(画像:自由ヶ丘のアンティーク家具ショップにて 2000.8)


鎌倉

「鎌倉なんて、車で行くところじゃないよ。」とは、誰もが口にする言葉です。一度でも、車で休日の鎌倉に行ったことのある人ならば、激しい渋滞と、どの駐車場も満車で苦労された記憶があることでしょう。たとえ、駐車場にはいれたとしても、都心並の高い料金を請求されます。しかし、ちょっと発想を切り換えて、行動パターンを変えただけで、車があった方がより快適な鎌倉を楽しむことができます。

さて、鎌倉にはいるには、横浜横須賀道路の朝比奈インターから金沢街道経由ではいるルートと、手前の日野インターを出て、公田〜小袋谷経由で北鎌倉からはいるルートがあります。いずれのルートも、休日ともなると大渋滞になりますから、それだけで「鎌倉なんか車で行くところではない。」となってしまうわけです。ポイントは、午前中、できるだけ早い時間帯に鎌倉中心部に入り込んでしまう、というところにあります。私は高島平近辺に住んでいますが、日曜日だったら朝7時に家を出て、まだ混んでいない環八を下って第三京浜をめざします。第三京浜〜横浜新道〜横浜横須賀道路とくれば、どちらのルートであっても渋滞知らずで9時前には鎌倉に着いてしまいます。

金沢街道

さて、金沢街道です。この道路は、祝祭日になると杉本寺あたりから八幡宮まで、10〜16時は右左折禁止の規制がかかります。ですから、花のお寺瑞泉寺(画像→)に行こうとしたら、10時前に「岐れ路」をはいらなければなりません。また、このあたりの駐車場というと「観光協会鎌倉宮横駐車場」ただひとつしかありません。車にとって非常にきびしいエリアなわけです。そこで、9時前に「岐れ路」をはいり、「観光協会鎌倉宮横駐車場」を通りすぎて、細い路地をどんどんはいって行き、瑞泉寺の山門の先まではいってしまいます。瑞泉寺には、まとまった広さのある無料の駐車場があるのです。開門が9時なので、その前に着けば余裕で車を置くことができます。実際、このことを知っている人が結構いて、しっかり9時前に山門のところで車を停めて待っています。やがて、門が開き、車を迎え入れてくれます。ゆっくり楽しんだら、近所に何軒かある茶屋でのんびりとおしるこやあんみつでもいただいてから、車で下ったらよろしい。

北鎌倉

さて、北鎌倉ですが、午前中ならばどの駐車場もまだまだ空いています。なかでも穴場なのが、ほとんど知られていない浄智寺(←画像)の参拝者用駐車場です。参道をはいってすぐ右の奥にあります(その先の駐車場は月極や許可の要る駐車場です)。浄智寺は、北鎌倉では比較的地味なお寺ですが、箱庭的情緒のあるなかなか味わい深いお寺ですから、一度行って見たらいいでしょう。ここに長時間車を停めておくことはおすすめしませんが、ちょっと明月院(あじさい寺)あたりまで足を伸ばすくらいだったら、目をつぶってもらえるのではないでしょうか。

もちろん、午前中であれば、円覚寺や建長寺の駐車場は楽にはいれると思います。このあたりには、おいしいお昼をいただける店がたくさんあります。そして、その半数には数台ですが専用駐車場もありますから、まだ、混雑しない12時前にランチタイムにすれば、すべてがスムーズにゆくことでしょう。なお、12時をまわると、北鎌倉から八幡宮に向かう鎌倉街道は激しい渋滞にみまわれますから、北鎌倉方面から八幡宮に行きたい場合は、時間帯を工夫する必要があります。

そうやって、2時〜3時頃までに行きたいところをまわってしまえば、あとは、早目の鎌倉脱出をはかるのみとなります。まだ、都心の道路が混まないうちに家に帰り着いてしまえば、昼寝をしたり、洗車したり、出なおして近所に買物にでかけたりできるというものです。休日の時間は、できる限り無駄なく、たっぷりと使いたいと思うのです。


伊豆・箱根

伊豆や箱根方面に行こうとした場合、どうにも混んでしまうのが小田原厚木道路の終点ですね。これをちょっとだけ回避するには、小田原厚木道路を終点まで行かずに、手前の大磯で出て西湘バイパスを海を見ながらドライブっていうのはどうですか。どのみち小田原で一旦詰まりますが、熱海方面に行きたい場合、早川ICでの渋滞はこちらからの方がずっと楽だと思います。

箱根方面の道で不人気なのが箱根ターンパイク。道が単調だから?それとも有料道路だから?同乗者のことを考えたら、カーブの少ないターンパイクの方がいいと思うんですけど。どうして不人気なのかよくわかりません。でも、ぐにゃぐにゃ曲がりくねった峠道を、速いペースで飛ばすのが好きな人って多いですね。私は断然、ゆるやかなカーブをほどよいペースでいなすように走るのが好きです。そもそも、英国には日本のような峠道なんてほとんどなくて、もっぱらポテトチップスのようになだらかな起伏とカーブの田舎道ばっかりなんですから、ROVERが峠道なんぞをぐりぐり飛ばすなんて似合いません。

伊豆に行ったならば、熱海・伊東や伊豆高原・城ヶ崎あたりの混雑につかまってないで、もっと南に行って欲しいと思います。車があるならば、伊豆半島一周なんてあっという間なんですから。いつも空いている伊豆スカイラインで伊豆高原まで行き、そこから海岸沿いに一気に下田まで行きます。そのまま南をぐるっと回ってもいいし、婆裟羅山を越えて大沢温泉経由松崎港というコースもなかなかよろしい。特に、桜の季節の那賀川堤一帯は一見に値します。

西伊豆に出てしまえばもうこっちのもので、土肥からふたたび山を登りなおしてくだってゆけば、湯ヶ島、月ヶ瀬、修善寺と温泉の入り放題エリアに突入します。帰りは、亀石ICから再び伊豆スカイラインに乗れば、混雑することもなく一気に箱根ターンパイクまで下れるでしょう。それとも、御殿場に出ますか?


穴場の神奈川

広域農道を走る

足柄山の麓には「広域農道小田原南足柄線」というのがありますね。この農道は、県道74号線脇の「南足柄運動公園」から大雄山最乗寺の麓「仁王門」までの北半分と、そこから「小田原フラワーガーデン」付近に至る南半分とがあります。農道は、農地と農地を結んだくねった道であるため、どこそこからどこそこへ行く、という目的では全くのところ使えません。おそらく、地元でこの農道を端から端まで走ろうなどという人はいないだろうと思います。が、実はこの農道いうやつ、空いている上に信号がないおかげで走っていて気持ち良いのです。

3月中旬だったら梅、4月上旬だったら桜、中旬以降だったらやわらかい新緑の風景が楽しめます。そして、初夏の頃は、大雄山最乗寺の参道の両側があじさいでいっぱいになります。

(画像:広域農道の中間点、大雄山最乗寺の仁王門)

足柄峠越え

箱根といえば箱根峠が有名ですが、車で越えて楽しいのはなんといっても足柄峠です。東名高速「大井松田IC」を出て直進するとやがて広域農道小田原南足柄線を横切り、景色の良い谷を上る道になります。この先が「足柄峠」です。4月中下旬になると、新緑もここまで登ってきて、頭上は山桜、足元はすみれで一杯になります。峠を下ってから御殿場までの道も、静かで豊かな日本らしい田園風景が続きます。もちろん、こんなところを走っている観光者なんていません。


穴場の埼玉

私は、時々、群馬は太田市にある
イングリッシュ・ガーデンのお店に行くときに、とある農道を利用しています。「大里比企広域農道」(別名:みどりの道)といいます。信号はほとんどなく、緩やかなカーブの続く田園風景のきれいな道です。春になると、田植え前の農地はところどころ濃いピンクのレンゲの花でおおわれ、夏には、田んぼとこんもり茂った木々の青さが目にしみ、秋には、金色に輝く稲穂が広がります。(とは言っても、日本のことですから、途中には工場あり、空き地あり、ですが、こんなところにこんな場所があったのね、くらいには感動すると思います。)

起点は、有料道路の富士見川越道路をぬけて入間川を渡った先の「上伊草」交差点を右折、2kmほど行ったところの「虫塚」T字路。。終点は、熊谷東松山有料道路と荒川がぶつかるところ。熊谷は目の前です。ここまで来るには、本来は、関越で練馬から東松山へ、次いで熊谷東松山有料道路を使うのがセオリーなんだと思いますが、ゴールデンウィークであっても渋滞知らずのこの農道は、高速料金もいらず、タダでドライビングが楽しめてしまうのです。


軽井沢・追分

高速を出て山をひとつ越えると、そこは軽井沢の南端。まっすぐ旧軽井沢に行きたいのをちょっと我慢して、72ゴルフコースの裏道に入り込みます。林の続く気持ち良い道をゆくと、やがてぽっかりと開けたところにちいさなカフェテラスがあります。軽井沢の芽衣(画像→)です。軽井沢には、このような雑踏から離れたところどころに静かなカフェやレストランがあります。ロング・ドライブの途中に、ローバーのハンドルを握る手を休めるのにこういう店を確保しておいたらいいと思います。軽井沢が目的でなくても、東京から万座や志賀高原への途中のひとやすみでもいいではないですか。高速道路のサービスエリアなどよりもずっと気の利いた休憩ポイントになります。

軽井沢というと、なんとなく旧軽銀座や三笠ホテルへの道など、木々に囲まれたやや湿っぽい景色を連想してしまいますが、それはそれとして、のびやかに広がった開放的な眺め、というのはいかが。追分から北に分岐している「あさまサンライン」にはいると、右に浅間山のなだらかな斜面、左には佐久の広大な盆地が広がり、とても明るく晴れ晴れとした気分になります。ちょっと日本っぽくない、開放感を味わえると言ったらいいすぎでしょうか。5月下旬の新緑と、10月中旬の紅葉の季節はまた格別であります。

この道に箱根スカイラインのような連続したカーブを期待してはいけません。むしろ、どこまでも一直線に伸びた単調な農道です。なのに、走っていて楽しいのは、左右に見え隠れするのびやかな景色のせいでしょう。いわゆる観光地ではありませんので、名所やお店はほとんどありませんが、注意して走っていれば、ちいさなハーブガーデンやレストラン、りんご狩りができる農家などの存在に気がつくでしょう。軽井沢地区の穴場は、追分と心得るべし。お団子にうまい寿司、ちょっと国道をはずれて御代田方面に行けば煎茶のお席も。

観光地の雑踏から離れた静かな店で私が必ず訪れるところといえば、このミス・アナベラ(←画像)です。軽井沢の静かさや四季の移り変わりが味わえる店は、なかなかあるものではありません。

ところで、軽井沢で渋滞につかまりやすいところといえば、碓氷軽井沢ICを出て北に向かう道と国道18号線の交差点から軽井沢駅西側のガードのところでしょうか。高速道路で来た人も、碓氷バイパスを登って来た人も、目指すは旧軽銀座ですからね。何もわざわざそんな混んだところに首を突っ込むこともないと思いますから、押立山を下ったところを左折して、車なんかいなくて快適な軽井沢72の脇道だとか、発地川沿いの裏道を通って塩沢や中軽井沢、さらには追分の方で遊んでみてはどうでしょうか。あら、こんなところに、てな感じで思わぬ店を発見できます。

その、あら、こんなところに・・・の代表ともいえるのが然林庵(画像→)ですね。普通の道を走っていたのでは、決してこの場所を見つけることはできません。私がこの店を見つけたのも全くの偶然でした。あらぬ路地に入り込んで迷ってしまい、木々に覆われて昼なお暗い別荘地の細い小径をそろそろと走ってゆくうちに、このカフェの前を通りかかったのでした。表通りから1本はいっただけのことですが、通りに面したところに看板ひとつ出ていませんから、一発で見つけるのは難しいでしょう。

でも、やっぱり、旧軽にも行ってみたい、と思って中軽井沢から国道18号を軽井沢方面に行こうとしても、たぶん、中軽井沢駅を過ぎたあたりで渋滞につかまるかもしれませんね。そういう時は、離山の裏をぬける道がよろしいかと思います。軽井沢町役場のところから北にはいってどんどん行けば、旧軽井沢のホテル鹿島の森のところに出てきますから、左折してそのまま旧軽町営駐車場に突入されたらよろしい。渋滞なんかないと思います。なお、いつも空いていてしかもびっくりするくらい便利な場所にある駐車場の穴場は、知る人ぞ知る神宮寺駐車場。旧軽銀座まで歩いてたったの1分。ここを知ってしまったら、旧軽町営駐車場とはさようなら、です。

これは便利・・・軽井沢ほか、信州各地の道路状況の画像がリアルタイムで見られる


八ヶ岳・蓼科

八ヶ岳周辺の広いエリアは、時間帯とルートの選び方ひとつで、東京から近くなったり、遠くなったりします。高島平に近いところに住んでいる私の場合、いかにスピーディに中央高速に入るかで、その日一日の予定が決まってしまったりします。

最短距離でありながら、早起き夜更かしの環八は、何が起こるかわからないので絶対に使えません。休日の環七も早起き道路なので、はじめのうちはスムーズなのですが、大原での中央高速方面への右折に手間取ると、それだけで30分、1時間がパーになります。そこで、川越街道から池袋をぬけ、寝坊助の明治通りを南下するのです。寝覚めの悪い明治通りは、休日ともなると9時をまわってもまだがらがらです。ほとんど渋滞知らずで、初台にたどり着けます。

蓼科に行くには、オーソドックスなルートですと、諏訪ICで出てビーナスラインを登るわけですが、ここはひとつ、1つ手前の南諏訪ICで出てしまいます。諏訪ICから御射山を経て、原村役場、山田、中沢、堀へとぬける県道17号のルートは、一本道ではありませんが信号もほとんどなく、混雑時でも思いのほかスピーディな移動ができます。但し、地元の静かな民家をかすめる道ですので、40km/h道路を60km/h以上で飛ばす人はご遠慮ください。私は、こういう比較的情緒のある道を、制限速度+10km/h程度で走るのが好きです。

(画像:2000.6.25 at BARAKURA English Garden in 蓼科・・↓→)

こういうメジャーな観光地へ行く場合、混雑と渋滞に巻きこまれないためにいろいろと知恵を使わなければなりません。天気予報で、東京はざーざー降りの雨、長野も降水確率50%以上、なんていう日は絶好の行楽びよりです。選挙の投票日なんていうのが重なったりしたら、これはもうベストマッチング。今年(2000年)の6月25日などは、その好例ではないでしょうか。東京は雨。南諏訪ICまでの中央高速も、ずっとワイパー動かしっぱなし。でも、山の天気は変わりやすい。つまり、雨が降っていてもすぐに晴れ間が出るのです。雨露にしっとりと濡れた初夏の蓼科は、訪れる人も少なく、時折差し込む日の光に輝いていました。

帰りは、気分を変えて、大門街道を北に逆走し、白樺湖から女神湖に出て、望月経由で佐久に下り、上信越道を通って東京に向かうのはいかがなものでしょうか。たぶん、渋滞するのは所沢〜練馬くらいなものでしょう。それがいやだったら、所沢ICで出てしまって川越街道を上ってもいい。東松山ICで出て、富士見川越道路という手もあります。こうやって帰ってくれば、7時には帰宅、選挙にも間に合ってしまったというわけでした・・・これは実話です。


富士五湖・道志・丹沢

富士という山のあまりのシンプルさ、高さ、そして若さゆえに、山麓を巡る道は単調でいささか面白みを欠くように思えます。また、河口湖畔一帯は、ひところに比べると、観光地としてのかげりを感じます。廃屋となった旅館やみやげもの店が点在する様は、凋落の雰囲気さえ漂っています。それなのに、連休などになると、周辺の道路はあっという間に飽和してしまいます。その理由は、ドライバー達の大半が不勉強で、ほとんどの車が同じ幹線道路に集中してしまうからです。混雑しやすいポイントが、より一層激しい混雑に見舞われます。衆愚の行動パターンはみな同じというわけです。

時間に追われた観光客ほど、時間の使い方が下手で無駄だらけと思うのは私だけでしょうか。わかっていながら激しい渋滞に巻き込まれてしまうおとうさんだけでなく、山道を飛ばして行くドライバーにもその余裕のなさを強く感じます。制限速度50km/hの峠越えみちを60km/h〜70km/h(いけませんね、これではスピード違反ですぞ)で走っていると、RV系のちょっと大きな車が必ずといっていいほど飛ばしてきて、こちらに追いつくなり「はよ行け、遅いぞ」と車間を詰めてせっついてきます。

この速度でここらのカーブを曲がったら、ハンドルにしがみついているドライバーはいいけれど、同乗者は遠心力でたまらんだろうな、と思いつつ、適当な場所を見つけては速やかに道を譲ることにしています。走ることができるぎりぎり速いスピードで走っていないと、下手糞なドライバーと思われてしまいそうです。たまに、速すぎることもなく、かといって決して遅くもない、緩急のバランスのとれたペースを守っている大人の車に出会うとほっとします。おっと、話題があらぬ方向に脱線してしまいました。

(画像:道志の湯 2000.9)

これといった目玉になる観光スポットのない道志は、低くなだらかな峰に挟まれた、素晴らしく長く深い谷道です。津久井と山中湖を結ぶこの道は、単なる抜け道と言ってしまっては申し訳無いほど懐の深さを感じます。高速道路は誰でも走れますが、この道志みちをどう走るかで、ドライバーの技量とセンスが問われるでしょう。

さて、途中、ちょっと横道に入れば道志の湯(このあたりには温泉が3つあります)があり、村外の人の料金でもたったの500円。深い谷あいの一軒宿もあり、混雑を押して有名な温泉地にゆかずとも、これでどんな不満があるのかと思います。釣り好きだけに占領させておくのはもったいないエリアです。


平日の都心

仕事を終えたら、大急ぎで帰宅します。早い人で6時、遅くとも7時頃には家に着けるでしょう。え、8時になっちゃう?そういう方は、ここから先をお読みになる必要はございません。さて、仕事着を脱ぎ、ちょっとおしゃれな服に着替えます。奥様がいらっしゃるのでしたら(彼女らは、その美貌を発揮するのに少々の時間を要し、時として多大なる時間を要します)、あらかじめ、その旨を伝えておくのがエチケットというものです。

車で家を出て、都心に向かいます。おそらく、都心方面への道路はかなりスムースなのではないでしょうか。日もとっぷりと暮れてはいますが、まだまだ、宵の口です。予約していた店には、7時半か8時頃には着けるでしょう。都心のパーキングメーターは午後7時にはその職務を終了していますから、その頃には、どこでも気楽に車を停められることでしょう。

さて、食事を終えて首都高速に乗れば、そこは夜景の海。レインボーブリッジから見る東京ベイエリアや、飛行機の発着する羽田あたりの眺めを見れば、「ああ、東京に住んでいて得した」という気分になるでしょう。高速を横浜で出て、港の見える丘公園に駆け上れば、まるで観光旅行にでも来た気分です。そのまま、一気に帰宅したとしても、家で風呂上がりにビールを一杯やるくらいの時間はあるのです。

これに味をしめたなら、新しい夜の東京夜景コースに挑戦してください。

<保存版>
Driving the 広域農道

日本国内でドライブするというと、どうしてもワインディング・ロードが続く峠道などを連想してしまいます。しかし、高い山のない英国には、峠道だとかつづら折りのワインディング・ロードというものはほとんどありません。英国車のほとんどは、なだらかな起伏の続く田園風景の中をどこまでも走ってゆくのです。そのような田園風景に満ちた、なだらかで信号のほとんどない道というものが日本にも各地に存在します。その名は「広域農道」。


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