Driving UK Country and Cities

英国カントリー・ドライビング 計画から実行・後始末まで

英国の田舎と街のドライビング
Driving UK Country and Cities



動画のスタートはこちら・・・B4425をBiburyに向かう

このページは、仕事や観光で英国に行った人が、すばらしいカントリーサイドをドライビングしたり、田舎の町や村を訪れたりするためのヒントをご紹介します。

英国と日本との決定的な違いのひとつに、町並みの美しさがあると思います。英国人は、景観の美しさに対して非常に繊細な趣味を持ち、かつ保守的であるおかげで、日本のような見苦しく派手な看板や、ひとり目立とうとするような品のない建築物がありません。それは、ロンドン市内だけでなく、郊外に出れば出るほど徹底されています。ひとたびロンドン郊外に出れば、彼らがいかに田園風景というものを愛し、大切にしようとしているのかがひしひしと伝わってきます。このような、英国本来の良さを楽しむには、自分の意思でカントリーサイドを訪れ、できれば滞在し、ドライビングしたり散歩したりするしかないと思います。

しかし、英国で車を借りたり、列車に乗って旅するには、日本で売られているガイドブックの情報は全く不充分ではないかと思います。それは、ガイドブックというものが、基本的に都市での観光や買い物、ツァー、レストランでの食事を中心に編集されていて、個人が主体的に自由に英国のあちこちを移動するようにガイドされていないからだと思います。

このページでは、そういう既成の旅行プログラムではなく、もっと自分の力を信じて、主体的な英国旅行をしてみようという方に少しでもヒントが提供できればと思っています。ちなみに、私は海外旅行のベテランではありません。英国にはこれまでに3回しか行ったことがありません。そういう経験の浅い者でも、既成の旅行プログラムにはない旅ができるのだ、と思って自信を持って旅を楽しんでいただきたいのです。


STEP-1:情報収集

<英国ドライビングのガイド>

英国でドライビングを楽しむための手頃なガイドは英国政府観光庁で入手できます。この冊子には、英国の交通ルールや標識の見方がまとめてあるのでとても役に立ちます。英国政府観光庁では、ほかにも英国を楽しむためのさまざまなA4サイズの冊子が作られており、これらはいずれも写真がきれいで記事もよくまとまっています。Webページから申し込むだけでこれらが数百円の送料着払いですぐに送られてきます。

<ドライビング・ロードマップ>

英国の田舎を走るには、幹線道路だけでは全くダメで村と村をつなぐ小道が非常に重要な役割を果たします。なぜかと言うと、美しい村のほとんどは幹線道路から離れた小道を行った先にあるからです。そこで田舎道が載ったロードマップが必要になるわけですが、ロンドンなどの大きな都市は全くの例外で、そもそも英国の田舎には日本のような書店がほとんどなく、またヒースロー空港にも地図は売っていません。レンタカーサイトにもありません。

以前は非常に不便でしたが、今や海外の都市や田舎のロードマップは、amazon.co.jpで容易に入手できる時代になりました。但し、和書と違ってamazonといえどもすぐには在庫がないようで、発送まで最低でも2週間くらいはかかると思った方がいいでしょう。すくなくとも英国出発3週間前には注文しないと間に合いません。私は、Londonの書店でCollinsのROAD ATLASを買い、湖水地方限定の詳細地図をamazon.co.jpで入手してから英国のドライビングに出かけました。下の画像は、左から英国版JAFの"AA"、店でよくみかける"AZ"、超大判詳細地図も出している"Collins"、いずれも全英大判アトラス3種類。

<Webサイト>


STEP-2:国外運転免許証

海外で車を運転するには、日本の公安委員会が発行する国外運転免許証がいります。国外運転免許証の入手は簡単で、住んでいる場所によって指定されている警察署または試験場で、(普通は)その場で発行してくれます。必要なものは、「有効な運転免許証」と「写真1枚」、「パスポート」それに「2600〜2700円」だけです。印鑑がいる、という話を聞きますが、私の住所を管轄している警視庁板橋警察署ではいりませんでした。詳しくは、警視庁や各県警のHomaPageにアクセスしてください。国外運転免許証の有効期間は、発行日から1年間です。

なお、この免許証は「貸与」ですのでなくさないようにしてください。なくしたまま新しい免許証の交付を申請すると、理由の如何を問わず「私の過失で紛失しました。かくなる上はいかなる咎めがあっても文句を言いません」という趣旨が書かれた国家権力まるだしの不愉快きわまりない文書に署名・捺印させられます。

なお、海外のレンタカー会社のほとんどは、年齢制限があり23歳以下では車を借りることができません。また、年齢によって運転できる乗用車のサイズに制限がある国も存在します。渡航先でレンタカーを借りる際には、「国際運転免許証」と「日本の運転免許証」の両方、海外でメジャーな「クレジットカード」、国によっては「パスポート」も必要です。

<国外運転免許取得手続>・・・警視庁神奈川県警埼玉県警


STEP-3:レンタカーを予約する

<英国のレンタカーはマニュアル車が基本>

英国のレンタカーは、そのほとんどすべてがマニュアル車です。オーマチック車を借りたい場合は、あらかじめ日本を出る前にレンタカー会社に予約しておかないと、現地で慌てることになります。特に、世界的大手であるHertzやAVISはオーマチック車が非常に少ないか、全くないので要注意です。空港のレンタカーはまだましで若干置いていますが、LONDON市内ではほぼ絶望的です。シーズンによってはただでさえ少ないオーマチック車が出払ってしまうので、運転免許がオーマチック車限定の方は特に注意してください。また、予約の際には「オーマチック車」であることをしっかりと確認してください。

<ロスタイム>

予約をおすすめするもうひとつの理由は、予約なしで現地で借りようとした場合のロスタイムが非常に大きいからです。海外のレンタカー屋のチェックインはじつにのんびりしていて、カウンターは1つか2つしか開いておらず、そこに何人ものお客が行列をして忍耐強く順番を待っています。1人のお客のチェックインに15分かかったとして、4人並んでいたらあなたのチェックインが終わるのは1時間15分後ということになるからです。予約があれば簡単な手続きだけですぐにキーがもらえます。

<インターネットで予約>

レンタカーはほとんど例外なく日本からインターネットで予約できます。どこのレンタカー会社を使うかは好みにもよると思いますが、Londonヒースロー空港ならば、HertzやAVISといった世界のメジャーなレンタカー会社がすべて店を出しています。

ドライバーが2人以上の時はかならず登録してください。特に、保険に関して注意しなければならないのは、指定した以外の人が運転して事故を起こすと保証が全くありません。海外で人身事故を起こした場合、保険でカバーしきれないと永久に日本に帰って来れません。従って、保険はフル・カバーを指定してしっかりはいるようにしてください。

<ROVERは借りられるか>

新車の販売はなくなってしまった今(2007.7)となっては、ROVERを置いているレンタカー会社はまずないと思っていいでしょう。ごく一部には、ビンテージカーをはじめとする特別な車種の注文に応じてくれる会社もあるようですが確実な情報はありません


STEP-4:空港に着いたら

<空港の到着ロビーのレンタカー窓口に立ち寄る>

どの空港でも、到着ロビー(税関を出たところ)にもレンタカー会社のカウンターがあります・・・もっとも、このカウンターに誰かがいる確率はせいぜい50%ですが。ヒースロー空港に着いたら、とりあえず予約してあるレンタカー会社のカウンターに立ち寄って、どうしたらいいか確認することをおすすめします。通常、予約があればそのままレンタカー会社が運行しているマイクロバスに乗ってしまっていいのですが、空港の窓口でチェックインしてもらうと後が楽だったりしますし、万一、予約に不手際があった場合でも早くに手続をしてもらえます。

<レンタカー会社のバスに乗る>

空港のレンタカーサイトは、大概、空港の外の近くのどこかに集まっています。ヒースロー空港の場合は、空港の外の北側一帯にレンタカー会社各社が集まっています。空港のレンタカーサイトに行くには、レンタカー会社が運行しているマイクロバスを使います。世界共通のルールとして、空港のバス乗り場の一角にレンタカー会社のマイクロバス専用乗り場があって、そこで待っているとさまざまな色をした各社のマイクロバスが次から次へとやってきます。このマイクロバスに乗ってしまえば、黙っていてもレンタカーサイトに連れて行ってくれます。

大手レンタカー会社の場合は、マイクロバスの運転席のところにコンピュータの端末があって、バスに乗る時に予約した名前を告げると、コンピュータで検索してすでに準備されている車の目の前まで連れて行ってくれるというサーヴィスがあります。このサーヴィスが使える場合は、チェックインは不要でそのまま車に乗って出て行っていいのです。しかし、予約がないとレンタカーサイトのチェックインカウンターの行列の末尾に並ぶことになります。

<レンタカーサイト>

ちなみに、ヒースロー空港をとりまく道路は右図のようになっていて、国際線は中央に集中したTerminal-1からTermnal-3のどこかです。ここから上に細く薄い線が見えると思いますが、これが外とつないでいるトンネルです。空港への出入りはこのトンネルを使います。レンタカー会社のマイクロバスはTerminal-1〜3でお客を降ろしたり拾ったりしながらこのトンネルをくぐって空港の北側に出ます。

レンタカー会社各社のサイトは赤丸で印をつけたあたりに軒を連ねていますので、マイクロバスはトンネルを出たところにあるラウンドアバウト(のようなもの)にはいってから左右の坂を上って車が置いてある自社のサイトに向かいます。車を返したお客を空港に連れてゆくときも同じところを走ります。


STEP-5:レンタカーサイトにて・・・車のチェック

レンタカーサイトに着いたら、すでに予約が有効であれば車は用意されているのでキーと契約書を受け取ってすぐに出発できます。予約がなかったり、システムがへぼいレンタカー会社の場合はチェックインカウンターで必要な手続きをしなければなりません(2007.7のEuropCarのシステムはへぼかった)。ですから、マイクロバスを降りた時に、車に乗って出て行ってしまっていいか、チェックインカウンターに行かなければならないかを判断しなければなりません。そういう意味でも、空港にあるカウンターで聞いておけば迷う心配はなくなるというわけです。

さて、車のキーを手に入れたら、あるいはキーがついた車に乗ったら、最初にすることは「操作方法の確認」です。慣れた車種なら問題はないと思いますが、通常、レンタカーを借りた場合は乗り慣れていない車種であることがほとんどでしょう。安全運転のためにも、慌てず騒がず、ひとつひとつ各部の操作の確認を行います。車に乗ると、運転席かポケットのどこかに紙1〜2枚程度の操作マニュアルがありますから、まずはこれを見つけます。なければ事務所に行って必ずもらってください。

<パーキング・ブレーキ>

車種によって操作方法が違いますから必ずチェックします。運転席の脇のレバーを引く一般的なものや、メルセデスやクラウンのように足で踏むとブレーキがかかり、レバーを手で引くと解除されるタイプもあります。

<キー操作とエンジンの始動>

レンタカーにはあまり難しい車はありませんが、それでも車によって個性がありますからパーキング・ブレーキの操作が見えたらエンジンを始動してみます。

<ウィンカー・レバーとワイパー>

英国車は日本車と同じ右ハンドルですが、ウィンカー・レバーは日本車と逆の左側についています。そして、ワイパー・レバーは右側なのです。これに慣れておかないと、右左折をしようとした途端にワイパーが動いてしまって慌てることになります。この点については、ROVERのオーナーはすでに経験済みですね。

<ヘッドライトなど>

日本車の多くはヘッドライト・スイッチがハンドル脇のレバーに仕込んでありますが、欧州車の多くはハンドル右手前方のドアの付け根にあるダイアル式のスイッチであったりしますので、必ず操作方法をチェックしておきます。その他ハザードライトやフォグランプのスイッチも確認しておきます。

<オーディオとエアコンの操作>

最近のレンタカーはほとんどCD対応になっています。私は海外で車に乗る時はiPodとFMトランスミッターを使っています(右の画像)。FMトランスミッターはシガーライターから電源を取るタイプで、海外のFM周波数帯域にも対応したものが便利です。英国は夏でも気温は20℃くらいなので冷房はほとんど使いませんが、暖房は必須なのであらかじめ操作に慣れておきます。

<燃料の種類>

燃料の種類の呼称は日本と異なります。英国におけるガソリン車の標準は「Unleaded」を給油します。乗用車であってもディーゼル車はあたりまえに存在するので油断できません。その車が指定する燃料の種類は操作マニュアルのどこかに必ず書いてあります。燃料の種類を間違えたら大変なことになるので(モウモウと黒煙を吐いた挙句にエンジンがダメになります)くれぐれも間違えない、勘違いしないようにしてください。なお、燃料の種類は燃料タンクのふたのところにも書いてあります。同時に、燃料キャップの開け方も確認しておきます。

<トランク・リッド>

レンタカーの多くはご親切にトランク(英国ではBOOTという)を開けてあることが多いです。荷物が少なかったり座席に載せてしまった場合、トランクが開いたまま走り出してしまい、高速道路にはいってから風圧でトランクがわーんと開いてしまって大慌てになってしまわないように気をつけましょう。


STEP-6:出て行き方、戻り方の確認・・・ヒースロー空港編

レンタカーサイトは、通常、出入り口が決まっていて、入り口にも出口にもゲートがついていてむやみに出たりはいったりできないようになっています。レンタカーサイトを出る前に、「どうやって街や田舎に出て行ったらいいか」ということと「どうやってここに戻って来たらいいか」というきわめて重大なことについて確認しておきましょう。車を借りると、大概は「出て行き方、戻り方」を示した案内図をくれます。くれなかったら出し忘れているのですから「Can I have a map for coming back here」とかなんとか言ってもらってください。

右図はヒースロー空港のNationalレンタカーで車を借りた時にもらった案内図です。Nationalは空港のトンネルを出て左側に折れてしばらく行ったところにあります(緑色のマーク)。

「出て行き方」は右図上に赤い矢印で示されていて、レンタカーサイトのゲートを出たらすぐに右、その先で左、さらに右と進み、最初のラウンドアバウト(黒い丸印)を越えたら高速道路M4に向かう縦のブルーの通りに合流せよ、とあります。いちばん上のブルーの横線が高速道路M4で、右に行けばLondon、左に行けばCotswoldsです。

「戻り方」は黒い矢印で示されていて、、高速道路M4を出たら縦のブルーの通りを空港方面に向かい、最初のラウンドアバウトを左に出て(ここが重要!)、ぐるっと迂回してからトンネルに行く道路をまたぐように書かれています。このブルーの通りから黒い色に出るのがポイントで、これ逃すと一旦トンネルにはいって空港内を一周して戻ってこなければなりません。

トンネル入り口周辺を空から見たのが右図です。この画像は、Google Earthからキャプチャしましたので、みなさんのPCでも同じものを見ることができます。

画像を見るとわかるとおり、中央のラウンドアバウトは形が中途半端でぐるぐるまわれるのは上半分だけで、下半分はまわることができないようになっており、上から戻ってきた時にまわるつもりでいるとそのままトンネルの中に連れて行かれてしまうのです。

空港に戻ってきた時は、このラウンドアバウトもどきにはいって1/3周して国道をくぐったら、すぐに左に出なければなりません。そして、たぶんそこには「レンタカーのお帰りはこちら」なんていう親切な案内板はないのです。右の2つの図やPCのGoogle Earthで道路の様子をしっかり頭に叩き込んでおいてください。


STEP-7:さあ、出発

さて、準備ができたら出発です。レンタカーサイトの出口には検問所のような窓口があって、そこで契約書の写しを手渡したら、ゲートが開いて外に出られます。

一旦外に出たら、ぐずぐずさせてはもらえません。どんどん走らないと後ろがつかえます。だからこそ、これまでくどいくらい空港周辺の道路の様子や「出て行き方」の説明をしてきたのです。英国では、信号がほとんどないので止まって考える、という日本的なペースがつかめません。しかも、車の流れはかなり速いのであっという間に高速道路M4にはいっていることでしょう。

ところで、M4を西にまっすぐに行くルートでコッツウォルズを目指すのならそのま走っていていいですが、Oxford経由で行く場合はM4にはいったらすぐに左車線にはいらないとM25へのジャンクションに入り損ねますので注意してください。

Londonに行くにはM4を東進します。渋滞がなければ30分かかりませんが、30分以内にロンドン中心部に着けたらそれは余程に運がいいといっていいでしょう。ロンドン市街の道路は別格で、東京都心部並みに混んでいて難しいのです。路面は車で一杯なので今自分がいる車線が「直進」なのか「右折帯」なのかわかりません。しかも、車線の幅は東京よりも狭いのです。油断していると行きたくない方向に連れていかれます。連れて行かれた先が一方通行だったりして、慣れていないと何がなんだかわからなくなります。


STEP-8:交通ルール(工事中)

冒頭の「STEP-1:情報収集」のところでご紹介した英国政府観光庁サイトで入手可能な冊子「Driving in Britain」(右の画像)がおすすめです。主な道路標識も含めてよくまとめられています。

<英国の道路・・・"M"と"A"と"B">

英国の道路には、M4、A40、A429、B4255という風に名前がついています。"M"は"Motorway"の略でいわゆる高速道路ですが、日本と違って基本的に無料です(一部に有料なところがあります)。最高速度は70mile/h(=112km/h)ですがどの車も70〜90mile/hで流れています。ところどころにサービスエリアがあってガソリンを補給したり食事ができるようになっています。サービスエリアと次のサービスエリアとの間隔は日本よりもちょっと長いな、と思います。出口には、街の名前のほかに番号がついているので、何番で出るか決めておけば出口が近いかどうか迷わずに済む、という点は米国と同じです。

日本と決定的に違うな、と思うのは、どの車もいつまでも追い越し車線にいないということです。追い越したらさっさと走行車線に戻るのです。それも、追い越しざまにいきなりこちらの鼻先にはいってくるのでちょっとびっくりします。なんだか、競輪のレースをやっているみたいです。特徴的なのは、日本でありがちな行儀の悪いドライバーが全くといっていいくらいいないことでしょうか。不愉快な煽りや無理な割り込みはまずないといっていいでしょう。

それ以外は、日本の高速道路とほとんど変わるところはありません。"A"のつく国道クラスでは、信号やラウンドアバウトがあり、横断歩道や(たまに)交差点もありますが、2車線あってほとんど高速道路並のものから、1車線の田舎道的なものまでさまざまです。日本と違って、英国の道路地図では何車線あるかがきめ細かく明示されています。

"B"のつく道路になるとさすがに田舎道になってきます。冒頭の動画は、コッツウォルズのCirencesterからBiburyに向かうB4425です。牧草地と林のなかをぬけるB4425は、ゆるいカーブが連続する走って気持ちの良い道です・・・イングランドはどこを走ってもこんな感じなんですけどね。時折、遅い車に追いついたり、こちらが抜かれたりする程度ですが、周囲は農地か牧草地ですから地元のトラクターが走っていたり、羊が道をふさいでいたりすることもあります。

制限速度の表示は見たことがありませんので、日本でいう法定速度が適用されるのでしょうか。"B"の法定速度は40mile/h(=64km/h)だと本に書いてありましたが、実際にはどの車も50mile/h(=80km/h)以上で疾走してゆきます。実際のところはどうなんでしょう。もっとも、こういう道では「日本でいう追い越しのためのはみ出し走行禁止」・・・つまり黄色い中央線・・・はありませんので、追い越しは自由ですから、こちらがゆっくり走っているからといって、後ろの車があおってくるということはありません。追い越す時は、パッシングをして一気にこちらを追い抜いてゆきます。動画では、撮影用に時速60km/hくらいでゆっくり走っていたら、Audiがすいっと抜いて行きました。

ひとしきり走って、村にさしかかると「これより30mile/h(=48km/h)、ゆっくり走れ」の標識が現れます。これに出会うと、どの車もさっと徐行しはじめます。たいていの道路は村を貫通するように走っており、村の中では道路が狭かったり、農家の庭先を通ったりするため、やさしい走行を心がけなければなりません。村のはずれには、「Thank you for your careful driving」の表示があって、白地に黒い斜線の「速度制限はここまで」の標識があり、そこから再びカントリーロードがはじまります。次の村までは、おそらく数マイルはあることでしょう。

M6 Tollにご注意>

英国の高速道路は無料が基本で、有料道路は数えるほどしかありませんが、最近、事情が変わったようです。英国を南北につなぐM6にバイパスが新設され、そこだけが有料化されました。この道路のことを"M6 Toll"といいます。M6を北上する時はまだいいのですが、注意しなければならないのは湖水地方の帰りなど北から南に向かう場合です。

右の画像で、上下に通っているのが昔からあるM6で、右に行くのが新しくできたM6 Tollです。北から南に行く場合、ジャンクションの構造上、追い越し車線側の2車線を走っているとそのままM6 Tollに連れていかれてしまうのがわかるでしょうか。M6を行きたければいちばん左端の1車線にはいらなければなりません。私はこのことに気づかずにうっかりM6 Tollにはいってしまいました。

<田舎道>

英国の田舎では、ほとんどの村が"A"や"B"といった幹線道路からはずれたところにあります。そのちいさい村々を訪ねようとすると"A"や"B"から脇道にはいらなければなりません。その脇道の案内には一定のルールがあります。"B"道路などを走っていると時々「┤」とか「├」といった記号の案内板に出会います。この先に「脇道の入り口」があるという意味です。速度を落として少し走ってゆくと「⇒」に村の名前を書いた案内板とともに細い脇道の入り口があります。ここをはいってゆけば表示の村にたどりつくよ、という意味です。コッツウォルズでは、この田舎道を自由に使えるかどうかがポイントになります。

ちなみに、この田舎道にはセンターラインはありません。2台の車が無理なくすれ違えるくらいの広さのこともあれば、バックして退避帯にはいらないとすれ違うことができない細道もあります。英国には車1台がやっと通れるような狭い田舎道がたくさんあるのです。それは、道路の脇の多くが牧草地であるために、羊が外に迷い出ないために石を積んで壁を作ってるからです。この壁と壁のすきまに道路があるためものすごく狭い上に外にはみ出ることができません。湖水地方には特にこのような道が多く、Hard Knot Passに至る極狭の道などでは1マイル進む間に4回も5回も退避することも珍しくありません。

このような道を走っていてしみじみ思うのは、ドライバー達のマナーの良さです。狭い道で対向車に気づくと、どの車も速やかに退避帯をさがして待機し、あるいはさっさとバックして道を空け、対向車にパッシングして「通ってもいいよ」と合図します。譲られた方のドライバーは、すれ違う際に窓を開けてにっこり笑って「Thank you」と声をかけたり手を振ります。この習慣は工事中の狭い道でも、市街地で路駐した車のために通りにくいところでも、至るところで目にすることができます。

<ラウンドアバウト>

さてラウンドアバウト(右図)です。英国の道路には交差点というものがあまりなく、どちらかというとラウンドアバウトという時計回りのロータリーが主流です。ラウンドアバウトは、電気のない馬車しかなかった時代に考案された交通システムです。馬車は、停止・発進が苦手でしかも急な右左折ができないので走りっぱなしでいけるロータリー方式は合理的です。それに、日本と違って郊外では家など滅多にないため、今でも交差点に信号機をつけるために電気を引くことができませんから。

このラウンドアバウトというやつが非常に良く出来ていて、「右側から来る車に道を譲れ」というたったひとつの約束で成り立っています。つまり、ロータリーに入ろうとする車よりもぐるぐる回っている車が優先しますので、ロータリーの入り口では徐行するか一時停止しなければいけません・・・"Give Way"という標識がある。一方、すでにぐるぐる回っている車は優先車両になりますからいつでも好きな時に外に出ることができます。

ラウンドアバウトいろいろ

左から、代表的な高速道路周辺の大ラウンドアバウト(M5の9番出入り口)、A419〜CirencesterからA429およびB4425にはいる二重のラウンドアバウト、
A46とB4077が交差するところのラウンドアバウト、ヒースロー空港レンタカーサイト付近にあるちいさなヘソのようなラウンドアバウト。

この方式は、ロンドン市内の3車線もあるような幹線道路にもあります。中は三重の輪っかになっていて、ぐるぐる回りながらどんどん車線変更するんです。これは相当に緊張します。交通量の多い場所にあるラウンドアバウトでは、"Give Way"のかわりに信号機がついていることがあります。その信号ですが、点灯の順序が日本と違います。赤から青になる時にも一旦黄色になるのです。また、日本では、黄色になってもぎりぎりまで通過しようとする車が多いですが、英国では、黄色になったらすぐに止まります。日本の感覚で黄色で通過しようとすると、ひとり交差点に取り残された感じになってしまうのです。

ラウンドアバウトは、一つの重要な目印でもあるらしく、英国で道をたずねると「2つ目のラウンドアバウトの次の角を曲がれ」という風な言い方をします。ラウンドアバウトにも、中央に立派な植え込みや石碑があるものから、地面に丸を描いただけのごく簡単なものまでありますが、どんなに小さくても一人前のラウンドアバウトらしく、ロードマップにはかならず○印で記載されています。

<駐車違反>

英国の違法駐車の取り締まりは日本以上に徹底しており、日本の感覚で「短時間だから」とうっかり違法駐車して違反切符を切られる旅行者が跡を絶たないようです。市街地や村の目抜き通り(ハイストリートという)、観光地の賑わった一帯は道路の脇に「黄色の二本線」が引かれていますが、これは駐停車禁止の印です。英国が日本と異なるのは、ところかまわず駐車禁止や駐停車禁止にするのではなく、店舗の前や適切なところに駐車可の場所がこまめに指定されていることと、探せば必ずどこかにパーキングがあるということです。日本と同じ方式のパーキングチケットもよく見かけます。英国の駐車違反の罰金は40ポンドあるいはそれ以上なので日本より厳しい金額になっています。そして、違反者はめったに見ません。旅の恥はかきすて、などと言わずしっかり交通ルールは守りましょう。

<歩行者優先>

英国ほど歩行者優先が徹底した国も珍しいのではないでしょうか。信号機が赤か青かということよりも、そこに歩行者がいるかどうかが優先されます。つまり、車にとって青信号であっても、そこに歩行者がいたら青が青でなくなるということは日本の道路交通法規においても実は同じなのですが、英国ではそれがちゃんと徹底されているということです。

従って、信号機のない道路で、歩行者が横断しようとしていた場合、日本だったら「行っちゃえ」となるところ、英国では車はすみやかに停止して歩行者の横断の安全を確保します。同じことを日本でやると、後続車にホーンを鳴らされたり、いらつくように脇を追い越して行く車がいますね。英国でも、たぶん、急いでいる車もあるんだと思いますが、そのようなことはまずなく、後続車はいらつく様子も見せずに大人しく待っています。

テニスのウィンブルドンで有名になりましたが、英国の天気は変わりやすく、さっと雨がやってきます。そんな雨の中をしばらく走るうちに、前方に妙な格好の赤い物体が現れたので、追いついてみたらこんなクラシックな車でした。革製のゴーグルをつけたドライバー氏は、実に気持ちよさそうにマイペースでゆるやかな坂道を登ってゆきました。もちろん、雨に打たれながら。

英国の道路は、高速道路も田舎道も路面がちょっと粗いところがあって、しかも50mile/h以上のペースでのロングドライブになりますから、ドライバー自身の疲労の度合いや同乗者の乗り心地を考えると、ある程度大きさのある車を借りることをおすすめします。但し、英国の道路も車線もかなり狭いので、余程車幅間隔に自身のある方でない限り、レンジローバーのような幅広の車はやめておいた方がいいでしょう。



STEP-9:給油

英国ではガソリンのことをPetrolと言います。給油のしかたは各国さまざまですが、日本との最大の違いはすべてセルフだということでしょう。セルフといっても支払方法は日本で普及しているセルフスタンドとはちょっと異なります。給油の手順は以下のとおりです。
  1. スタンドにはいっても誰も出てきません。
  2. 車を空いているポンプ(給油する機械のことです)の前に停めます。
  3. 自分で給油します(右の画像。通常のガソリンはUnleadedといってノズルは緑色)。
  4. 油量と金額が表示されるので、それを見ながら給油したらいいでしょう。
  5. 給油が完了したらポンプの番号を確認します。
  6. お金を用意します。金額はポンプに表示されているとおりです。
  7. 売店のレジに行って、ポンプ番号を告げるとさっき見た金額を言われますから、そこで支払います。英語が苦手な人は「ポンプ・ナンバー・セブン・プリーズ」という風に言えば充分通じます。」
  8. レジは売店を兼ねているので、飲み物やちょっとしたものならここで買えます。
  9. 以上、おわり。
実は、この方法は日本のシェル系のセルフスタンドと全く同じなんですね。ですから、はじめて英国でドライブしようという人は、とりあえず日本でシェルのセルフスタンドで練習したらいいでしょう。なお、海外のスタンドのポンプにはカードでの支払い機能がついていますが、ホテルで使えたクレジットカードがスタンドでは使えなかったり操作方法がわかりにくいことが多いので、現金を用意されることをおすすめします。

英国にはあるのかどうか知りませんが、米国では先に現金を支払う方法が普及しています。車をポンプの前に停めたら、とりあえずレジまで行ってポンプ番号を告げ、先に現金を支払います。店員がレジを操作してポンプを開けてくれるので、車のところまで戻って自分で給油します。給油量が支払った金額に満たない場合は、レジで払い戻してもらいます(Refund pleaseと言う)。


STEP-10:街を走る(工事予定)

さて、ロンドン市内です。はじめて英国でドライブする場合は、まず、田舎を走ってラウンドアバウト等の英国的な運転ルールに慣れてから、ロンドン市内にはいることをおすすめします。また、東京のような、混雑していてしかも複雑な交差点の多い街での運転が苦手な人は、おやめになったほうが賢明であると思います。ロンドン市内の交通事情は、平日の東京の都心と同等かそれ以上に緊張しているからです。こんなところで事故なんか起こしてしまったら、せっかくの旅行が台無しです。

ロンドン市内の道路は車線が非常に狭く、しかも、住人の路上駐車が合法的に認められているため、大型乗用者では狭くて通れない場所がたくさんあります。実際、市内を走っている車のほとんどが1600ccかそれ以下のクラスの小型車です。走っている車同士の左右の間隔は、東京よりも10cmくらい狭いと思ってください。

道路は慢性的に渋滞していますから、道路上に書かれている右左折の案内の矢印など全く見えない、という点では東京と同じ、従って、交差点の構造を暗記していないと、どこに連れて行かれるかわからないという点も東京と同じです。

日本と決定的に違うのは、交差点に名前がないということです。そのため、一体どの角で曲がったらいいのかさっぱりわからなくなるのです。そうこうするうちに自分がいる場所がどこなのかわからなくなり、気がついたら右折帯にはいりこんでしまって、仕方なく右折したもののそこは一方通行路・・・そう、一方通行路も多いのだ・・・だった、なんていうことになるのです。さらに、元に戻ろうとしてラウンドアバウトをまわるうちに方角を完全に失ってしまうわけです。怖いでしょう?

英国では、歩行者絶対優先が徹底しており、人がいる横断歩道では車は必ず停止します。たった1台しか走っていなくても、横断歩道に人がいればその車は停止するのです。

日本では、横断歩道の手前の路上に菱形のマークが描かれていますが、英国では右の写真のようなぎざぎざのラインが横断歩道の合図です。このマークのあるところでは駐停車も追い越しも禁止です。なお、写真の道路は広いですし、車もいませんがこれは例外です。それにしても、ロンドンの街にROVER75の似合うことといったら・・・。

ロンドン市内の横断歩道には一応押しボタン信号がありますが、歩行者絶対優先のこの国では、歩行者は赤でもおかまいなしにどんどん渡ります。走っているバスから飛び降り下車した人が、そのまま交差点を横断してきます。ラウンドアバウトをはじめとするこのような交通システムやルールは、すでに馬車の時代に確立し、現代の自動車社会に受け継がれています。英国では、馬車の時代にすでに交通戦争を経験し、多くの交通事故の犠牲者を出しています。なまはんかな歴史ではないのです。


STEP-11:車を返す(工事予定)

そろそろ、借りた車を返す時がやってきました。さて、レンタカーは満タン返しが基本です。英国のガソリンスタンドはセルフサーヴィスになってるので、自分で給油しなければなりません。日本ではまだセルフのガソリンスタンドはあまり普及していませんから、車の燃料給油口がどうなっているのか見たこともない人も多いと思います。ですから、せめて、英国に発つ前にご自分の愛車の給油口がどうなっているのかぐらいは見ておいてください。ということは、車を借りた時に、借りた車の給油口の開け方くらいは確認しておかないと、後で慌てることになるかもしれません。給油は至って簡単で、ノズルを給油口に突っ込んでレバーを引くだけです。

燃料には3種類あります。ディーゼル用(黒いマーク)、Unleadedガソリン(緑のマーク)、Leaded(赤のマーク)です。普通車でしたらUnleadedを選びます。借りた車がどのガソリンで走るのかわからなかったら、車を借りる時に確認しておきましょう。給油し終わったら、店のレジのところに行って給油機の番号を言えば、精算してくれます。

高速道路"M4"に乗り、ヒースロー空港を目指します。ヒースロー空港への出口は4番です。4番を出たら南下して国道"A4"をくぐります。その先のトンネルにははいらずに、トンネル手前の大きなラウンドアバウトを左に折れて坂を登ります。あちこちに"Car Return"の案内板がありますので、それに従って走れば、まず、迷うことはないでしょう。

レンタカーサイトのゲートをくぐったら、おじさんが指差す方にどんどん行くと、やがて、乗り捨てられた車の行列の最後尾に着きます。車の旅はここでおしまいです。無線式のコンピュータ端末を持った係の人が、ごく簡単に車の傷の有無を調べ、ガソリンの残量を入力してゆきます。やがて、手元の小型プリンタで印字した清算書をびりりと切り取って渡してくれます。車の返却手続きはこれにて終了です。あっけないくらい簡単です。

荷物を下ろしてそこで待っていれば(ちょっとだけ歩かされることもある)、空港とレンタカーサイトを結んでいる送迎バスがあなたを拾いにきてくれます。バスに乗ったら、運転手に空港のターミナル番号と航空会社名を告げます。あとは、離着陸する旅客機でも眺めながらバスにゆられていればよろしい。目的に航空会社のカウンターに近いあたりまでバスが送ってくれることでしょう。


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