■■■本プロジェクトのコンセプト■■■
Concept of this project
業務オーディオの世界では、機材間をつなぐ方法としての「平衡」があるわけで、機器内部がどうなっているかは問われません。当初、全段差動PPアンプは、入出力は不平衡ですが回路の内部構造が平衡である、という点がひとつの特徴でした。本プロジェクトでは、(1)機器内部が平衡であること、この2つの条件をもって平衡であるという立場を取りたいと思います。
(2)そして機器間の接続も平衡であること、なお、この考え方は必ずしも絶対的なものではありませんので、機器内部が不平衡だったらダメであるとか、私がこのページで製作した回路がベストであるなどという意味ではありません。OPアンプ内部は不平衡増幅をしますからOPアンプを使用した回路場合はあるところで割り切りが必要になります。どうせ取り組むなら、機器内部まで平衡にすることをめざしてみよう、くらいのものだとご理解ください。また、こういったアプローチや実験を通じて、平衡増幅、平衡伝送のいいところ、弱点、難しさ、矛盾するところなどを理解したいと思っています。
・・・という考え方ではじまったこのプロジェクトですが、最近(2010年)すこし考えを改めようと思うようになりました。というのは、回路自体が平衡でなくても、あるいは回路図的に上下対称でなくても平衡のメリットがあると思うようになったからです。むしろあまりこだわりすぎない方が平衡系の持つ意味やメリットが見えてくるような気がします。私も少しはカドがとれてきたのでしょうか。尖ったものの考え方はかえってものごとが見えなくなることを実感する今日この頃です。
プロ・オーディオ(制作)からコンシューマ・オーディオすなわち再生オーディオ(リスニング・オーディオ)まで幅広く対象とします。
そこで、本プロジェクトのコンセプトです。※当ホームページにおける基本的な考え方を踏襲します。
- 機器間の伝送の平衡化と機器内部の伝送の平衡化の両方をテーマとする。
- 平衡伝送だけでなく、平衡増幅という考え方もテーマとする。(2012年11月追加)
- 高い平衡度が得られない準平衡的なものも許容し取り入れる。(2010年12月追加)
- レコーディングから再生まで幅広くカバーする。
- 再生オーディオでは既存のオーディオ・システムとの接続性・互換性を保つ。
- 常に定説に疑問を投げかけ、権威を排し、実験と学習に努める。(※)
- 金満的ハイエンド・オーディオに走ることなく、見識ある廉価オーディオに徹する。(※)
- 堅苦しいルールは作らず、べき論に走らない。(※)
- 家族に迷惑をかけない。(※)