トランスを使ってバランス入力化
Balanced Input using Line Transformer
インターネットのオークションサイトにインピーダンス比が10kΩ:7kΩのライントランスがよく出品されます。このトランスを入手して実測してみたところ、十分に使える特性であることがわかりました。昇圧するどころか微妙に減衰するのでDACとしては使いにくいこのトランスですが、バランス→アンバランス変換に使うと非常に具合が良いことがわかったので情報を流したところ、プロ用音響の世界で結構使われるようになりました。
タムラのライントランスには10kΩ:7kΩというのが何種類かあります。左下はTpAs-3Sの実測データですが、2次側に約8kΩの負荷を与えるとちょうどいい感じの周波数特性になります。測定時のソース側インピーダンスは50Ωです。もちろん、10kΩ:10kΩのトランスも同様にチューニングして使えます。
回路例です。バランス入力側は、XLR3キャノンコネクタを使い、ライントランスの2次側は抵抗器とボリュームと合わせて負荷が8.3kΩくらいになるように抵抗値を決めてあります。バランス側の入力インピーダンスは計算上は11.8kΩです。RCAジャックを使ったアンバランス入力にも対応してあり、こちら側の入力インピーダンスは50kΩ程度です。
製作例です。これを製作したのは某FM放送局の技術部で、アンプ部はVersion4です。非常に具合がいいらしくVersion4だけでなくVersion3も業務の現場で活躍しているそうです。