YAHAヘッドホン・アンプの回路説明
Descriptions for YAHA Hp amp.
"The YAHA amp"、正式には"Yet Another Hybrid Amp"と呼ばれる真空管を使ったちょっと変わったヘッドホンアンプが話題になっています。真空管というと100Vかそれ以上の高い電源電圧で動作させるものだという常識をひっくり返して、12Vという低い電源だけを使って構成してあるという点がとても面白いのです。ACアダプタを使えば、電源回路がものすごく簡単になるために、初心者でも作れてしまうところが人気の秘密でしょう。原文(英語)にはそれなりにちゃんと説明があるのですが、何故12Vという低電圧でも動作するのか、一体どんなしくみで動作しているのかについてはなかなか理解されていないようです。(The YAHA amp、http://www.fa-schmidt.de/YAHA/index.htm)本アンプに関してはエレキジャックNo.18(2010年4月24日発売)で特集が組まれており、白ケーブル氏が面白い記事にまとめてくれていますので参考にされたらいいでしょう。おまけとして当サイトのページのコンテンツも若干加筆して掲載されました。
オリジナル回路は右図のとおりです。入力信号は、C2(0.1μF)のDC遮断コンデンサを経て真空管ECC88のグリッドにはいります。ECC88というのは、6DJ8あるいは6922と同じで、呼称だけが違うと考えていただいてかまいません。グリッドとアースの間にはR1(1MΩ)のいわゆるグリッド・リーク(ただのグリッド抵抗ではない!)がついています。このC2とR1がこの回路の動作を決定するミソなのですが、これについては以下で詳しく説明します。さて、この増幅回路は、プレート負荷抵抗(R2)が47kΩとなっていてこれだけですと普通に見えますが、12Vという低い電源電圧が供給されている点が特異です。
真空管のヒーター電源は、どこでも入手できる最もポピュラーな3端子レギュレータLM317によって供給されていますが、これもちょっと変わっています。LM317といえば定電圧電源用のICですが、これを応用して定電流電源としています。LM317は、"adj"端子と"out"端子の間に適当な値の抵抗(R5)を入れると定電流回路になってしまうのです。これについても後でちゃんと説明することにしましょう。
話を増幅回路に戻して、ECC88のプレート電圧は「6.8V」と記載されています。電源電圧の12Vの半分よりもちょっと高めです。ここにOPアンプ"NJM4456"が接続されています。OPアンプの「+」に信号を入力し、「出力」を「−」にじかにつなぐ方法をボルテージフォロワと呼び、利得は1倍にとどまります。ECC88の出力ではヘッドホンを鳴らすだけの力はありませんので、OPアンプの力を借りてヘッドホンを鳴らせるだけの電流を得ているわけです。
OPアンプの出力端には約6.8Vの電圧が出ますので、C1(220μF)でDCを遮断しています。出力側の抵抗R3(1kΩ)は、ヘッドホンをつながないで電源ONした後でヘッドホンジャックを入れた時に不快なノイズが出ないためのC1の電荷逃がしですが、出力端が完全にオープンになって動作が不安定にならないための役目も持っているを考えられます。R4(22Ω)は16Ω以下の低いインピーダンスのヘッドホンをつないだときのOPアンプの動作条件を保証するためと、利得が大きすぎた時のドロップ抵抗の両方の目的でつけられています。
なお、今ここに書いた内容とほとんど同じこと、さらにそれ以上のことが原文に書かれていますので、やっぱり原文をちゃんと読ん欲しいですね。インターネット上のあちこちの掲示板を見るにつけ、全然読まずに質問している人が多すぎます。中学校や高校で英語習ったんだから読めるはずですよ。(私の英語は中学&高校レベルですし成績は最低でしたが、あれくらいなら全部読みます。)
このアンプの動作を理解するには、ゼロ・バイアス(=グリッドリーク・バイアス)の原理についての知識が必要です。ゼロ・バイアスの動作原理については今ここである程度説明しますが、詳しくはここ(http://www.op316.com/tubes/tips/b150.htm)の下の方で詳しく説明していますので是非読んでください。YAHAアンプの回路ですが、カソードがじかにアースされていますからグリッドにしかるべきバイアス(カソードに対してマイナスの電圧)を与えようとすると、何らかの方法でグリッドにマイナスの電圧を与えなければなりません。しかし、回路を見ると1MΩの抵抗がアースにつながっているだけでマイナスになるような仕掛けは見当たりません。ところが、動作中のYAHAアンプのグリッドにデジタルテスターを当ててみると何故か-0.3Vから-0.7Vくらいの電圧が生じています。とりあえず説明を進めるために-0.5Vが得られたとしましょう。この-0.5Vの電圧は一体どうして発生したのでしょうか。
アースは0V、グリッドは-0.5Vでその間には1MΩの抵抗がありますから、この1MΩの両端には0.5Vがかかっており、アースからグリッドに向かって0.5μAの微小電流が流れていることになります。この電流は一体どこから来るの、というのが問題です。さあ、どこから?
コンデンサC2には電流は流れませんので、この電流はグリッドに流れ込んでいるということになります。この電流のことを「初速度電流」と呼びます。電流を発生させている原動力は赤熱しているカソードです。ヒーターによって熱せられたカソードの表面の電子は激しく運動しています・・・熱電子という。通常、真空管が動作するのはこの熱電子がカソードを飛び出してプレートに飛び込むからで、電子の流れ=プレート電流となります。電子はマイナスの電荷を持ちますから、グリッドにマイナスの電位(=バイアス)が与えられていると、電子は反発してグリッドには行きません。しかし、マイナスの電位が浅くなってくると、ごく少量ですがグリッドにも飛び込むようになります。すなわち、グリッドからカソードに向かって電流が流れるのです。これを初速度電流と呼び、YAHAアンプでは約0.5μAほどの初速度電流が生じていて、これが「アース→1MΩ→グリッド→カソード」の経路で流れているのです。
初速度電流の大きさは真空管の種類および個体ごとにまちまちですが、ある程度の法則性があります。実際に測定したことがあるので、そのデータをご覧ください(右のグラフ)。6DJ8の場合、バイアスが浅い-0.1Vでは10μA、-0.4Vで1μAくらい、-0.5Vでは0.4μA、-0.7Vでは0.1Aまで減ります。なお、初速度電流に関するレポートは、昔、MJ誌に掲載された原稿がここ(http://www.op316.com/tubes/datalib/shosok.htm)にあります。
YAHAアンプのような回路にした場合、初速度電流が流れることでグリッド側がアースに対してマイナスになるという現象が生じます。どれくらいマイナスになるかはグリッド抵抗の大きさで決定されます。右図の6DJ8の黄色いマーカーがついているポイントごとにどうなるか計算してみましょう。
この計算結果によると、グリッド抵抗が1MΩの場合の初速度電流によって得られるバイアスは「-0.5V弱」となります。
バイアス 初速度電流 条件がバランスする
グリッド抵抗値-0.6V 0.15μA 4MΩ -0.5V 0.4μA 1.25MΩ -0.4V 0.9μA 440kΩ -0.3V 2μA 150kΩ -0.2V 4.5μA 54kΩ -0.1V 10μA 10kΩ お次は6DJ8の特性データとロードラインです。左下図は6DJ8のEp-Ip特性の実測データですが、ここで必要なのは12V以下の領域ですのでこのままのスケールでは絵になりません。そこでプレート電圧が低い領域を拡大したのが右下図です。ここに、電源電圧=12Vとして47kΩのロードラインを書き込んでみました。YAHAアンプの原回路図記載のプレート電圧(=6.8V)のポイントも入れてあります。そうすると、バイアス=-0.5Vくらい、その時のプレート電流=0.111mAとなりました。非常に大雑把ではありますが、これがYAHAアンプの動作条件です。
これらの解析からいろいろなことがわかります。6DJ8はプレート電流>2mAで使うと優れた直線性と低いrpが得られる球なのですが、本回路の動作はそういうおいしい領域からかけ離れた、直線性が悪く、rpも高く(特性曲線が寝ている)、ばらつきが大きい領域を使っているということ。入力信号がない時のグリッド電流(初速度電流)は0.5μAくらいですが、ヘッドホンを鳴らすためにピーク値で±0.15Vくらいのオーディオ信号がはいると、振幅の一方では0.1μA程度になるのに、反対側では1μA以上のグリッド電流が流れてしまうという非対称性の問題が起こること。グリッド電流が流れることで入力インピーダンスが低下してそれはそれで歪みの原因になること。
ちなみに、ロードラインからおおよその利得がわかります。OPアンプの入力インピーダンスでのロスを無視すると11〜14倍くらいではないでしょうか。もっとも、これくらいプレート電流が少ない領域でのEp-Ip特性はあまりあてになりませんし、個体差も非常に大きいので必ずこのような結果になるわけではありません。回路上、利得のばらつき問題は何の手当てもありませんが、幸いにして本回路全体が反転アンプですから、ヘッドホン出力から初段入力に向かって負帰還(P-G帰還と同じ)をかけることができますので、これはやってみる価値があります※。
※エレキジャックNo.18(2010年4月24日発売)では、白ケーブル氏が改良版においてこの負帰還をかけた実験をされており、程よい利得に収まっただけでなく、帯域特性もかなり改善されたようです。
<カソード・バイアスにする>使用する球を変更しないでバイアス方式だけ変更することができます。但し、カソードバイアスにしたとしても相変わらず同量の初速度電流は流れますから、グリッド抵抗がなくせない限りグリッド抵抗によって生じるバイアス成分はなくなりません。ですから、回路上問題が生じない程度までグリッド抵抗を小さくした上でカソード抵抗で得られるバイアス値を決める、という順番になります。
とりあえず、グリッド抵抗を1MΩから68kΩまで減らしたとしましょう。初速度電流は相変わらず0.5μAほど流れますから、グリッド抵抗で生じるバイアス成分は0.034Vです。-0.46Vほどのバイアスを得ようというのであれば、0.46V−0.034V=0.426Vをカソードバイアスで得る必要があるので、プレート電流=0.11mAですから、0.426V÷0.11mA=3.9kΩがカソード抵抗値となります。3.9kΩには220μF/10Vくらいのコンデンサを抱かせることをお忘れなく。
この場合、カソード電位が上がった分(0.426V)ただでさえ低い電源電圧が目減りするのでもったいないですね。カソード・バイアスにすることのメリットはないどころか、ロードラインの条件がさらに厳しくなるデメリットが生じます。
<固定バイアスにする>
固定バイアスにするには独立したマイナス電源が必要ですので、別途、マイナス電源が必要になります。そんなことをするくらいならB電源をもう少し高くして余裕のある動作にするとか、するべきことはほかにもあるのでやる意味があるかどうか疑問です。
つまり、YAHAアンプは12Vの単一電源でまかなうことを前提にすると、これ以上ほかにすることがないくらい最適化されているアンプなのです。ゼロ・バイアスを選んだのは熟考した結果だと思います。
YAHAアンプで使用可能な球には一定の制限があります。まず、低いプレート電圧でもある程度のプレート電流が流れてくれる必要があるので、内部抵抗が高い球は適しません。低いプレート電圧時でもバイアスが-0.4Vよりも深くないと初速度電流が増えてしまって歪みの増加を招きますので、真空管の3定数のひとつである「μ」があまり大きくないことも重要です。こういった条件に合致する球の筆頭が6DJ8一族だったわけです。6DJ8一族には、6922、7308、ECC88、E88CC、E188CCがあり、6DJ8のヒーター電圧違いの7DJ8、PCC88があります。6DJ8に似た球としては、6BQ7A、6N1P、5670があります。6BQ7Aと6N1Pはピン接続が6DJ8と同じなので配線を入れ替えなくても差し替えができますが、5670はピン接続が全然違うので注意してください。6DJ8類似球でなくても使える球は存在します。その代表は5687でしょう。5687の場合はR2(47kΩ)の値を22kΩくらいまで小さくした方が動作としては安定します。5687は12Vでのヒーター点火が可能なのでヒーター回路が簡単になります。5687に似た球のE182CC/7119や7044も同様に使えます。6DJ8の時よりも利得は下がりますが、これくらいの方がちょうどいいかもしれません。実は12AU7や6FQ7も充分に使えます。12AU7類似球の場合は、R2は原回路のままの47kΩとします。
球を差し替える場合は、使う球の種類にかかわらず、プレート電圧が6〜7Vくらいになるようにグリッド抵抗値を調整する方法を推奨します。
球を差し替える場合は、ヒーター定格にも注意する必要がありますが、ヒーター定格およびヒーター電源については後で詳しく説明します。
入力のところコンデンサC2(0.1μF)はR1(1MΩ)とでハイ・パス・フィルターにしたかったからかというとそうではありません。この回路ではグリッドには立派にマイナスの電圧がかかっていますから、C2は必須でこれがないとゼロ・バイアス回路は成り立ちません。通常の真空管回路の入力インピーダンスはグリッド抵抗値と同じになりますが、ゼロ・バイアスではもっと低い値になります。従って、C2とR1で形成される低域時定数は通常の計算で求められる、159÷(0.1×1000)=1.59Hzではなく、もっと高い周波数になります。C2は0.1μFよりも大きな値を確保するようにしてください。
原回路では220μですが、原文では低いインピーダンスのヘッドホンを使う場合は470μFに増量せよ、と書かれています。このコンデンサ容量値には特段の制限はありませんので、はじめて作る方は最低でも470μF、できれば1000μFくらいを入れた方がいい結果が得られます。2200μFでも構いません。耐圧は16V以上のものにしてください。
必要なことはすべて原文に書かれていますが、どうしても英文を読みたくない、という方々のためにここで説明をしておきます。この抵抗を入れることでC1に溜った電荷を逃がしてヘッドホンの抜き差し時の不快なノイズを防いでいます。この抵抗値を小さくしすぎるとOPアンプの負担が大きくなってしまうし、大きすぎると効果がありません。330Ω〜1kΩくらいがいいと思います。
これも必要なことはすべて原文に書かれていますが、やっぱり英文を読みたくない、という方々のためにここで説明をしておきます。OPアンプはそもそもヘッドホンくらいの低いインピーダンス(8Ω〜数十Ω)の負荷を想定して設計されていません。OPアンプでじかにヘッドホンを鳴らそうということ自体、少々無理があります。32Ω以下の低いヘッドホンをつないだ時にOPアンプがかわいそうなことにならないように原回路では22Ωが入れてあります。逆に、50Ω以上のインピーダンスのヘッドホンしか使いません、という場合はR4は必要ありませんが、そういう場合4.7〜10Ωくらいは入れておくのがエチケット(何?それ)でしょう。
OPアンプの多くは、ピン接続や基本的な動作条件が標準化されています。原回路ではNJM4458が使われていますが、NJM4458は標準タイプのOPアンプですので回路を変更しないでさまざまなOPアンプに入れ替えることができそうです。しかし、オペアンプはそれぞれに個性があり、使用上の制約があります。NJM2114やNJM5532をボルテージ・フォロワで使う時は保護抵抗を入れよ、とテクニカル・ドキュメントに書いてあります。NJM072/082やNJM2043は簡単に発振します。無条件で問題なくボルテージ・フォロワで使えるオペアンプはそんなに多くありません。使用にあたっては必ずテクニカル・ドキュメントを読んでください。
YAHAアンプのヒーターは定電流電源です。LM317を使った定電流回路は、adj〜out端子間に入れる抵抗値(Ω)で定電流特性(A)が決定されます。その式は、定電流特性(A)=1.25V÷抵抗値(Ω)です。そこで、各真空管のヒーター定格とadj〜out端子間に入れる抵抗値との関係を以下の表にまとめてみました。これによるとYAHAアンプの設計ではちょっとまずいことがわかります。6DJ8/ECC88のヒーター電流は0.365Aなのに0.3Aであるとして設計されているからです。さまざまな理由から、私は真空管のヒーターの定電流点火にはやや批判的です。ヒーター電圧が6.3Vの球は、点火する電圧が正確であることを前提に作られており、きっちり6.3Vをかけた時のヒーター電流値は必ずしも定格どおりではないからです。ですから、定電流回路を使ってヒーター電流を規定して点火した時に、ヒーターの両端に現れる電圧が6.3Vから大きくずれていた場合は、電流値を調整して現われる電圧が6.3V±5%になるようにしてください。そんな面倒なことをするくらいなら最初から6.3V点火すればいいのに、ということになるわけです。
真空管 ヒーター電圧 ヒーター電流 LM317定電流点火時の
adj抵抗12Vから単純に
抵抗でドロップ6DJ8/ECC88 6.3V 0.365A 3.4Ω 15.6Ω/10W 7DJ8/PCC88 7V 0.3A 4.2Ω 16.6Ω/5W 6922/E88CC 6.3V 0.3A 4.2Ω 19Ω/10W 7308/E188CC 6.3V 0.335A 3.7Ω 17Ω/10W 6BQ7A 6.3V 0.4A 3.1Ω 14.2Ω/10W 6N1P 6.3V 0.6A 2.1Ω
かなり大型の放熱板が必要9.5Ω/15W 5670 6.3V 0.35A 3.6Ω 16.3Ω/10W 私だったら、LM317を使わないでごくごくシンプルな抵抗器による電圧ドロップを推奨します(ここではその理由については詳しくは触れませんが、抵抗による単純な電圧ドロップは非常に優れた方式です)。その場合の抵抗値も上の表に書き込んでおきました。
このアンプは、電子回路として最適化されていないので、オーディオな回路としてどうなの?と言われると微妙な問題があります。かなりのグリッド電流が流れる領域での動作ですので、歪みが多く、歪み方も不規則で、ソースインピーダンスが高いとその影響を受けます。そもそも、直線性が悪い領域を使っていますから、歪んであたりまえなんですが。6DJ8という優れた球(低rpで直線性が良い)を使っておきながら、高rpで直線性が悪い動作領域を使っているのだからしかたありません。他の球を使ったらもっと悪いわけですから。利得のばらつきについても全く配慮されていません。OPアンプを使っているので、32Ω以下のインピーダンスのヘッドホンの駆動力についても制約があります。むしろ、たった12Vの単一電源でも真空管ごっこができる、という点で大きな意味があるでしょう。とにかく、こんなんでも「音が出る!」という驚きがあることはこの回路の最大のいいところです。本ページを作った目的は、YAHAアンプは真空管の癖や動作メカニズムをうまく使ってまとめあげている、という妙味を知って欲しかったからです。真空管は、OPアンプのように柔軟な使い方ができるかというとそうではなくて、この回路は、この構成、この定数でないと成り立たないということも知っておいてください。OPアンプでしたら、電源電圧はいかようにも設定できますし、外付け抵抗の値や組み合わせの制約もほとんどありません。しかし、このアンプは、すべての回路定数が有機的に結合しているために、1つの回路定数をいじったら、あちこちの定数を再計算しなければなりません。そこが、OPアンプとディスクリートの最大の違いでもあります。
なお、この回路から出てきた音に関しては、好き嫌いの世界なので私からはコメントができません。もし、本気でいい音にしたかったら、これまで述べた動作のしくみについてさらに理解を深めて、最低でも24Vの電源を使って組んでみたらいいでしょう。設計に必要な考え方とデータはすでに提示しましたから、どうしたらいいかはやろうとする人ご自身で考えることができるはずですよ。