ヘッドホンジャック接続ガイド
Connection Guide for TRS Phone and 3.5mm mini Jack
ヘッドホンアンプを製作する時、誰もが???なことになるのが、ヘッドホンジャックの配線です。アースにつなぐところはなんとなくわかるが、どっちが右でどっちが左なのかわからない。もっと厄介なのは内臓スイッチのつなぎかた。ヘッドホンジャックのつなぎかたの質問が非常に多いので、参考になりそうなページを作ることにしました。
ヘッドホンプラグは一般に「1/4インチフォーンプラグ」あるいは「1/4inch TRS」などと呼ばれている機器間をつなぐためのコネクタにひとつで、ヘッドホンだけでなく、レコーディング機材のライン間を接続するなどさまざまな使い方、つなぎ方があります。iPodなどの小型機器では「3.5mmミニ・プラグ」も使われますが、サイズが異なるだけで接続の考え方は同じです。ここでは、ヘッドホンをつなぐ場合についてのみ説明します。プラグの先端部分を「Tip」と呼び、ヘッドホンプラグとして使う場合は左チャネル(L)をつなぎます。先端に続く中間のことを「Ring」と呼び、右チャネル(R)をつなぎます。根元の部分を「Sleeve」と呼び、アース(Ground、GND)をつなぎます。このTとRとSを略してTRSプラグ/ジャックと呼ばれるようになりました。
ヘッドホンジャックには実にさまざまな形状のものがあるので、上記のことを頭に入れつつ、使用するヘッドホンジャックの構造をよく見てどのようにつないだらいいか考えなければなりません。ヘッドホンジャックのどの端子がTipあるいはRingにつながることになるのかを確かめるには、お持ちのヘッドホンをジャックに差し込んで、Ωレンジにしたテスター棒を端子当てて音を聞いてみれば「ガサゴソ」「ジリジリ」とノイズが出るのでわかります。
なお、ステレオヘッドホンの場合は上記(右図)のようなつなぎかたをしますが、レコーディング機材のライン接続では異なるつなぎかたが2パターンほどありますが、本題ではないので説明は別の資料に譲ります。
ヘッドホンジャックには、どの端子がTRSのどこにつながるか見ただけでわかる構造のものとわからないものとがあります。また、ヘッドホンジャックの構造はまったくいろいろですので、自分が持っているジャックごとに自力で調べなければなりません。誰かに聞けばわかるというものではないということをよーくご理解ください。私がどのようにして調べているかといますと、何もつないでいないダミーのTRSプラグとテスターを用意して、プラグを調べたいジャックに挿入します。一方のテスター棒をダミーのプラグのTipに当てたまま、もう一方のテスター棒でジャック側の端子をかたっぱしからあたってみて、導通がある端子を探すという単純な方法で調べています。みなさんもご自分で調べてください。それ以外に正解を知る方法はありません。
<TRSフォーン・ジャック>本サイトで使用している内蔵スイッチ付きヘッドホンジャックは右の画像のような接続になっています。内臓スイッチを使わない場合は、Sleeveをアースにつなぎ、TipとRingをそれぞれ左チャネル、右チャネルにつなぎます。他の6つの端子は遊ばせておきます。
内臓スイッチは2系統あって、それぞれ3つの端子が出ています。中にあるスイッチはとても単純な構造で、プラグを差し込んだ時の力でバネ状の支点が外側に押しやられて、接点が切り替わるようになっています。
9個もついている端子をいっしょくたにして考えるから頭がこんがらがるのであって、要するに、3PのTRSジャックと6Pのトグルスイッチが別個に存在して、ジャックの抜き差しによってスイッチ側が切り替わるのだ、と思ったら話は簡単だと思います。つまり、「ヘッドホンジャック」と「切り替えスイッチ」は分けて考えろ、ということです。
3つ並んだ端子のうち中央の端子がスイッチの支点になります。プラグが差し込まれていない時はバネの力で内側の端子側(ON)に接触しています。右の画像の矢印がその状態です。プラグを差し込むと差し込まれたプラグに押しやられて外側の端子側(OFF)に切り替わります。Ωレンジにしたテスターを端子に当てた状態でヘッドホンプラグを差し込んだり抜いたりしてみれば、スイッチの動きを確認することができます。ごくごく原始的で単純なこのしくみさえ理解してしまえば、あとは簡単な頭の体操なのでどのように配線したらいいかわかると思います。
<TRSフォーン・ジャック>
ステレオミニジャックは中の構造が透けて見えるのでちょっと頭を使えばわかるのですが、右の画像のような構造および接続になっています。
ヘッドホンジャックとして普通に使う場合は、GND端子とL端子とR端子を使います。本機のようなスイッチ操作をしたい場合は、L(SW)端子とR(SW)端子を併用します。L端子とL(SW)端子は、プラグを差し込んでいない時は導通がありますが、プラグを差し込むと切れる構造になっています。R端子とR(SW)端子の関係も同様です。「ヘッドホンジャック」と「切り替えスイッチ」は一体になっています。
もし、上記の説明の意味がわからないようでしたら、これから先、他の機構部品においてもわからないことだらけになると思いますので、回路の設計や機械の工作は自分には向かないものとあきらめた方がいいでしょう。