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■■■USB DACの左右チャネル間クロストーク対策・・・インダクタ実装上の注意■■■
Caution!

全く、迂闊でした。インダクタの相互干渉を甘くみておりました。USB DACのLCフィルタで使用しているインダクタですが、左右両チャネルの距離とコア軸の角度によって高い周波数になるほど左右チャネル間クロストークが劣化します。この現象はある方からレポートをいただいていたのですが、入院治療が近いなどそれどころではない時期であったため対応が遅れました。

●左右チャネル間クロストークの劣化現象と応急処置

TPC-203と使ったトランス式USB DACについて調べてみたところ、下のグラフの青い線の特性となりました。2kHzから上の帯域で左右チャネル間クロストークの劣化がみられます。基板上のインダクタは距離が離れていますが、それでも影響が及んでいます。そこで画像の左側のインダクタを手前に倒し、右側のインダクタを向こう側に傾、平行していたコア軸が直角になるようにしたのが黒い線です。13dBほどの改善がみられました。20kHzで-60dB以下ですから、このケースではこれ以上欲張る必要はありません。

トランス+真空管バッファ式USB DAC Version2についても調べてみました。こちらは200Hzからその影響が出ています(青い線)。インダクタの距離が近いと影響が認識できる周波数が一気に下がってきます。こちらについてもインダクタを逆方向に傾けてみたところ、一律に12dBほどの改善がみられました(黒い線)。

効果としては十分とは言えませんが、簡単にできる方法で10dB以上の改善が期待できますので応急処置としておすすめします。数値的には大きな変化ですが、聴感上の変化はほとんど認識できません。


●平ラグパターンの変更

トランス式DACでは、LCフィルタを平ラグに実装した作例がいくつかあります。この問題が起きにくいように配慮した6Pの平ラグの例をご紹介します。

下図の例では、左右の2個のインダクタはできるだけ離して両端に寄せています。実装では、単に離すだけでなく外側に斜めに倒してください。AKI.DACからの出力は向かって左側です。アース(GND)はAKI.DAC基板の左右どちらか一方から1本だけでつなぎます。Trans Pというのは1次巻き線(Primary)で、Trans Sというのは2次巻き線(Secondary)の意味です。

トランス+真空管バッファ式USB DAC Version2のレイアウトを変更してみた結果が赤い線です。10kHzで-60dBを得ていますから十分だと思います。

平ラグパターンの変更は下図のとおりで、平ラグをそのまま使い、すでに実装されたLCなどを再配置します。インダクタは直立ではなく外側に傾けています。すでに製作されたものを改良するのであればこの方法がおすすめです。

トランス+真空管バッファ式USB DAC Version1のデータは以下のとおりでVersion2と良く似ています。配線はそのままでインダクタの角度を変えただけの応急処置が黒い線です。Version1のLCフィルタ部も同じ平ラグパターンなので、上記の平ラグパターンがそのまま適用できます。改修した結果が赤い線です。


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