●はじめに

デジタルソースとして最初に普及したのはCDです。その後、DATやMDといった媒体も登場しましたが、普及することなく消えてしまいました。しかし、CDだけはしぶとく生き残っています。CDで提供されたデジタルソースは、やがて形あるCD媒体のままではなくパソコン（以下PCという）上にデータとして格納しておいたり、デジタルデータそのものをネットワークを通じて入手（ダウンロード）し、それをPC上で再生できるように変化しました。また、YouTubeのようにネットワークを通じてデータを転送しながら再生する方法もすっかり定着しました。

ここでは、もっぱらPCを使ってデジタルソースを再生する方法について解説します。

●再生ソフトとハードウェア

＜パソコン（PC）＞
PCで音楽を再生するには、Windows Media PlayerやiTunesといった再生ソフトを使います。Windows Media PlayerはWindowsに標準装備されている再生ソフトで、ほとんどのデジタルオーディオデータやCDを再生できます。これ以外にもおびただしい種類の再生ソフトが流通しています。しかし、おそらく今これを書いている2019年時点で最も普及率が高い再生ソフトはiTunesでしょう。iTunesはPCでオーディオ再生するだけでなく、PCに格納した音楽ソースをライブラリとして管理したり、iPhoneやiPodの管理を行う機能もついています。iPhoneやiPodで音楽を聞いているということはiTunesも使っているということになります。そのほかにも有料あるいはフリーな再生ソフトがたくさんありますが、iTunesに匹敵するほどに普及しているものはまだありません。

PCで再生したデジタル信号をアナログ信号に変換してアンプで再生できるように出力する装置（ハードウェア）のことをオーディオ・インターフェースあるいはDAコンバータ（以下DACと略す）といいます。PC本体も最低限の音声出力が出せるようにオーディオ・インターフェースを内蔵しているため、PCのイヤホンジャックとアンプをつなげば音楽を再生できますが、イヤホンジャックから出てくる音のクォリティは悲惨なほど低いです。しかも新しいPCモデルほど酷くなってきています。

しかし、PC自体の音源としてのポテンシャルは非常に高いので、PCと良質のオーディオ・インターフェースやDACとを組み合わせることで、ん十万円もする高級CDプレーヤをしのぐ高音質が容易に得られます。本サイトでは、この方法について詳しく解説します。

＜カーステレオ＞
旧来のカーステレオにはCDプレーヤーや複数のCDを格納できるCDオートチェンジャーがついています。カーステレオのCDプレーヤーについては説明するまでもないでしょう。

iTunes上の音楽ソースをiPhoneやiPadに移すことでiPhoneやiPad単体で再生できるわけですが、さらにiPhoneのBluetoothを使うことでBluetoothレシーバーを音源とすることも可能になります。一般的な部屋置きのBluetoothレシーバーだけでなく、Bluetooth機能付きのカーステレオでの再生も普及しつつあります。この方式の場合は、iPhoneやiPadなどの機材側の操作がわかっていれば十分なのでここでは詳しく説明しません。

USB端子がついたクルマの多くは、そこに音楽データを入れたUSBメモリを差し込んで音楽を再生できるものも増えてきました。クルマ側のオーディオ設定のところでUSBメモリを選択すると、USBメモリに格納された音楽データがメニューに表示されるしくみです。USBメモリを差込みっぱなしにするのではなく、カーステレオ側に大容量メモリを持っていて自動的にそちら側にコピーしてしまうものもあります。この方式を利用するためには、USBメモリにどんな形式で音楽データを持たせたらいいのかについての知識が必要です。これについては後述します。

●CDをそのまま再生

PCのCDドライブに音楽CDを入れると、どんな再生ソフトを使うか聞いてくる場合と、すでに設定された再生ソフトを起動してCDが再生されるかのいずれかになります。また、再生ソフトには、CDをそのまま再生する場合と、一旦データとしてPCに取り込んでから再生する場合とがあります。PCがどのような振る舞いをするかは一定ではなく、PCの設定あるいはしの場の指定で選択できます。

●デジタルデータの取り込み

PCオーディオが従来のCDプレーヤと比べて圧倒的に有利なのは、CDの音楽データをPCに取り込み蓄積することで、毎回CDを挿入しなくても良い点でしょう。

●基本構成

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●PC側の設定

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