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■■■CDに焼く■■■
How to Burn CD


Sound it! / Windows Media Player


●CDバーンニングソフト(CDライティング・ソフト)

「バーン」と言っても爆発じゃありません。"Burn"でございます。音楽データを使ってCDを作ることを、「CDに焼く(=Burn)」ことからこんな風に言うようになったんですね。CDを作成するためのソフトのことを「CDバーニングソフト」あるいは「CDライティング・ソフト」と言います。

しっかり編集され、各トラックごとのレベル・バランスもとれている状態のWAVファイルができたら、あとは音楽CDとして焼くだけです。無償のツールでは、Windowsの場合はWindoew Media Playerを使って焼くことができますし、Macintoshであればファインダーを使って焼けます。iTuneにもCDバーニング機能がついています。もちろん有料の音楽編集ソフトのほとんどはCDバーニング機能を持っています。

私は、Windows環境では比較的廉価かつポピュラーなSound it! V4.0(右画像)を使い、MacintoshではiTuneを使っています。iTuneを使う場合は、圧縮ファイルに変換しないでWAV形式のまま取り込んだものをソースに使いますが、うっかりこれをiPodに取り込むとストレージがパンクしますのでご注意ください。


●トラックと曲の区切り

CDは通常いくつかのトラックに区切られています。最もベーシックなCD作成方法は、CD上で分けたいトラック(曲)ごとにWAVファイルを作成するやり方です。1つのCDに10曲入れたい時は、1曲ずつ10個のWAVファイルを作成し、これを使ってCDを焼きます。バーニングソフトによっては、1つのWAVファイル中に「マーカー」と呼ばれる印をつけることができ、このマーカーの位置でトラックを区切ってくれるものがあります。この方法を使うと、1つのWAVファイルでも複数トラックに分けて焼くことができます。ライブ録音やオペラなどで、曲と曲の切れ目がなくて次のトラックに切り替わっても無音の切れ目ができないようにするにはこの方法が便利です。逆に、WAVファイルに分けてからCDを焼くと、自動的に曲間に一定秒数の無音が挿入されてしまうことがあります。

通常は、曲間に数秒間の無音を挿入するので、曲ごとのWAVファイルを作成する際に、曲のはじめのところに0.5秒〜3秒程度の無音を付加するようにします。これがないと、CDプレーヤーで曲をスキップした時に、いきなり曲がはじまってしまってかえって不自然です。また、曲の末尾にも適切な無音を挿入するようにします。


●オートレベル調節

CDのマスタリングではノーマライズという処理を行います。16bitという限られたダイナミックレンジを無駄なく使うために、音楽ソース全体を通じて「最大音量(最大振幅)」のところで16bitのダイナミックを使い切ってフル・ビットになるように音楽ソースの音量全体を調節する作業です。Windows Media Playerは、WAVデータをCDに焼くと、勝手に曲ごとにノーマライズしてしまうのが初期設定になっています。この状態でポップスをCDに焼いても何の問題も生じませんが、交響曲をCDに焼くと、楽章ごとに音量が最大化されてしまうため、静かな緩叙楽章だけが大きな音になってしまう、という困ったことが起きます。

このことに気づいたのは、1kHzの正弦波で0dB、-10dB、-20dBとレベルを違えたトラックを作成してCDに焼いたところ、再生してみたらすべて0dBになってしまったので最初はわけがわからなかったのですが、調べまくってやっとこの事実を発見したのでした。これを解除するには、Windows Media Playerの「オプション」の中の「デバイス」の中の「プロパティ」の中にちょこっとある「書き込むときに、音量調整を適用する」チェックボックスをいじらなければなりません(下図左)。なんでこんなわかりにくいところにあるんでしょうね。Sound it!では、CD作成のダイアログ画面の中央下に「オート・レベル」というボタンがあり、これをONにすると曲(トラック)ごとにおせっかいを焼いてくれます(下図右)。

まともな品質のCDを作りたいのであれば、このような人を惑わす自動機能はOFFにしておいて、曲(トラック)ごとの最大音量やダイナミクスは自分でチェックし管理する必要があります。このような操作のことをマスタリングといいます。


左:Windows Media Player / 右:Sound it!

●安定したバーニング

CDを焼く時のお約束として、PC上の他のアプリケーションはすべて終了させる、常駐型のアンチウィルス・ソフトも終了させる、ネットワークにつながない、処理中は絶対にマウスやキーボードに触れない、といったことを守る必要があります。

CDを焼いている最中にPCの資源が他のタスクにまわされてしまうと、焼き込まれるデータにエラーが生じます。一度は実際にやってみたらいいでしょう。CDを焼いている最中に他のアプリケーションを起動した場合、出来上がったCDの表面を見ると不規則なムラができています。そして、CDプレーヤーで再生するとバリバリというきたないノイズが入っていたり、正常に動作してくれません。仕上がったCD面が一様にきれいな鏡面に仕上がっていないでムラが生じていたら、即廃棄となります。


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