Mini Watters
6DJ8全段差動ミニワッター&ヘッドホンアンプ(V3)Bass Boost改造版

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Bass Boostをつけたい!という要望がとても多いので、ミニワッターの中では最も負帰還量に余裕があってBass Boost回路に改造しやすい6DJ8差動PPミニワッターを使って実験をしましたのでその結果をレポートします。なお、6N6P差動PPミニワッターは負帰還の余裕があまりなく、十分 Boostが得られないなど設計上の制約が多いため実験の対象から外しましたが、欲張らなけれな3〜4dB程度のBoostは可能です。

<Bass Boostのしくみ>

本機のBass Boost回路は負帰還型です。無帰還時の利得は11.4倍で、7.8dBの負帰還をかけて仕上がりの利得は4.6倍になっています。ということは、Boostしたい低域での負帰還量を減らせば、最大7.8dBのBoostが得られる計算になります。しかし、Boostされた帯域ではBoost量に対応して負帰還量がどんどん減ってゆきます。低域での負帰還量が減るということはすなわち、低域でのD.F(ダンピングファクタ)が低下し、歪が増加することを意味します。これらはトレードオフの関係にあるわけです。

本機の負帰還を構成する基本的な回路定数は、560Ωと3.9kΩです。Bass Boostの特性を決定するのは、3.9kΩと直列に入れた0.33μFと18kΩです。0.33μFの値を変えるとBoostを開始する周波数も変化します。18kΩの値を変えるとBoostされる最大値が変化します。この回路定数ですと、Boostは最大で5.7dBくらいになり、200Hz以下がBoostされます。

当初、負帰還回路の定数は82Ωと560Ωでした。この回路定数をベースとしてBass Boostを設計すると、追加するCR値は2.7kΩと2.2μFとなってかなり大きな容量のフィルムコンデンサが必要になります。2.2μFのフィルムコンデンサというとキャメルほどの大きさになってしまって平ラグに載りませんので、より小型のコンデンサで済むように回路定数を変更したわけです。これに伴い、位相補正コンデンサ(1500pF)も220pFに変更してあります。

周波数特性は以下のとおりです。8cm〜10cmくらいのスピーカーですとこれくらいのBoostで程よく低域が補助されますが、スピーカーによってはこれでは効果が感じられないこともあり、また逆に過剰Boostのこともあります。Boostが足りないと感じた時は0.33μFを0.22μFに減らしてみてください。過剰な時は0.33μFを0.39〜0.47μFに増やします。ロータリースイッチを使って段階的に変化させると汎用性が増します。


<全回路図>

最新の6DJ8全段差動ミニワッター&ヘッドホンアンプ(V3)との違いは、負帰還回路部分にBass Boost用のCRが割り込んだことだけです。


<平ラグパターン>

元々あった負帰還回路を構成するCR(82Ω、560Ω、1500pF)およびジャンパー線を撤去して、新しいCR類(560Ω、3.9kΩ、220pF、18kΩ、0.33μF)を取り付けます。0.33μFの両端にはON/OFFのためのスイッチがつながりますので、空いたラグ穴からスイッチまで線を出します。なお、「3.9kΩ、220pF」と「18kΩ、0.33μF」は直列なので、両者の位置関係が入れ替わってもOKです。


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