Mini Watters
ミニワッター汎用シャーシ <在庫限り>

画像の部品は作例なので含まれません。頒布するデザインは右端のものです。

<シャーシの概要>

9pin-mT管を2本使った小型パワーアンプのための汎用シャーシを作りました。構成は以下の通りです。このシャーシの頒布は終了していますが、ご自身で加工される際の参考として記事を残してあります。

  • 本体
  • トランスカバー
  • 底板
材質は1mm厚のアルミを精密加工してあり、秋葉原などの売られているアルミ弁当箱に比べて造りはかなり丁寧です。アルミ製ですので穴あけ追加工は容易です。全段差動PPベーシックアンプ用に頒布されている標準シャーシとほぼ同色(わずかに違いますが)に塗装してあります。

東栄変成器や春日無線変圧器あたりから出ている小型の出力トランスは、いずれも化粧仕上げてはないのと、端子がむきだしになったものが多いため、そのままシャーシに搭載すると見栄えが悪い、感電する、といった問題があります。そこで、シャーシと同色の化粧ケース付きにしました。出力トランス取り付けネジは50mm間隔と60mm間隔に対応しており、東栄変成器でいうとT600〜T1200、春日無線変圧器でいうとKA-7520やKA-5730、イチカワでいうとITS-2.5Wあたりの小型出力トランスはほとんどすべて対応可能です(別掲)。電源トランスは、東栄変成器のPT35、春日無線変圧器KmB60F、KmB90Fなどに対応しています。これらであれば化粧ケースをかぶせて隠すことができます。化粧ケース側には3mmネジのためのタップが切ってあります。画像にはありませんが、もちろん底板も付いています。

ケースサイズはできるだけコンパクトになるように考えましたが、使える部品の種類や応用性を考えてD=260mm、W=145mm、H=52mmにおさえています。このサイズですと、ラグ板に取り付けた100μF/400Vのアルミ電解コンデンサを無理なくケースに収納できます。ケース上面には2個の9pin mT管用のソケット穴が開けてありますが、余裕で1本、無理すれば2本まで追加穴が開けられるできるようにスペースを確保してあります。また、中央に20P平ラグに対応した3.5mm穴を3つ開けてありますが、これを使った製作は2011年10月に本で出します(執筆は完了しており現在印刷中)。前面パネルには、電源スイッチ用の角穴とアルプスRK27シリーズに対応したボリューム穴が開けてあります。背面パネルには、スピーカー端子およびRCAジャック用に8mm径の穴を等間隔で8個開けてありますが、これをどのように使うかはみなさんの自由です。

申し込み方法: "teddy@op316.com"宛てに、郵便番号、ご住所、お名前、電話番号、希望数量を記載の上メールください。
今回頒布金額: 10,000円(送料込み)
頒布手順: いつもどおりの当サイトの部品頒布ルールによります。→ http://www.op316.com/tubes/buhin/buhin.htm
一定の在庫を持ちましたので、ご希望があればいつでもお送りできます。

※アルミはスチールに比べて材料・塗装ともに割高であるのと、3ピースも作るので更に割高ですので、これくらいの費用で収まるのはかなり頑張ったと思ってくださいませ。
※本シャーシ頒布と並行して適合するすべての部品(トランス類を除く)も頒布しています。

■初回Ver.1からの変更内容:

・初回頒布で大きすぎてガタが出てしまった電源スイッチ用角穴を適正なサイズに変更。
・後面パネルの8mm径穴×6に2個追加して×8に変更・・・入力2系統切り替えパワーアンプとして、あるいは0-4-8Ω対応として、あるいは入力3系統切り替えプリアンプとしていろいろ応用できると思います。
・使わない穴ふさぎとして8mm径ホールプラグ×2付属(右画像)。

下の画像のうち中央の図は試作版のものですのでスイッチ用の穴の形や端子穴の数が現在のものと異なります。いちばん下の図は最新のものです。本ケースの仕様はさまざまな事情やアイデアによって随時変更されることがありますのでご了解ください。




<対応電源トランス>

メーカー型番取付けビス間隔開口部1次2次備考
春日無線変圧器KmB60F57×4645×39100V0-230V(AC60mA、ブリッジ整流DC38mA)
0-6.3V(AC1.5A)
0-6.3V(AC1.5A)
6FQ7、12AU7、12BH7A、71A、5A6シングル
PHONOイコライザ
春日無線変圧器KmB90F57×4645×39100V0-185V-195V(AC80mA、ブリッジ整流DC50mA)
0-6.3V-12.6V-14.5V(AC0.9A)
5687、6N6P、6350、7119、7044シングル
6DJ8/6922、6BQ7A、6N1P、5670シングル
14GW8/PCL86、6GW8/ECL86、6BM8/ECL82シングル
差動ラインプリ
春日無線変圧器H9-090157×4645×39100V230V-0V-230V(AC50mA、両波整流DC50mA)
0V-6.3V(AC0.9A)
0V-6.3V(AC0.9A)
6FQ7、12AU7、12BH7A、71A、5A6シングル
6GW8/ECL86シングル
春日無線変圧器H12-042957×4645×39100V160V-0V-160V(AC65mA、両波整流DC65mA)
0V-6.3V-12.6V(AC1A)
差動ラインプリ
春日無線変圧器H17-0421157×4645×39100V130V-0V-130V(AC80mA、両波整流DC80mA)
0V-6.3V(AC1.5A)
6DJ8全段差動PP、6N6P全段差動PP、7119全段差動PP
春日無線変圧器H24-0101E57×4645×39220V0V-150V(AC135mA、ブリッジ整流DC85mA)
0V-6.3V(AC1.5A)
欧州版6N6P全段差動PP、同7119全段差動PP
特注可
春日無線変圧器H24-010157×4645×39100V0V-150V(AC135mA、ブリッジ整流DC85mA)
0V-6.3V(AC1.5A)
パワーアップ版6N6P全段差動PP、同7119全段差動PP
東栄変成器PT3558×48
(要調整)
45×3990V
100V
0-230V(AC35mA、ブリッジ整流DC22mA)
0-2.5V-6.3V(AC2A)
0-5V(AC0.5A)
今のところ当サイト上には作例がありません。

※型番の末尾に"F"がつかないKmB60は伏せ型でないので使えません。無理に載せてもコアの方向がOPTのコアの方向とかぶるのでハムが出ます。

下図は、上記の電源トランスのいくつかについての整流出力電圧の実測データです。設計の参考にしてください。

無負荷:他の巻き線は無負荷の状態で、当該巻き線にのみ負荷をかけたデータです。
全負荷:他の巻き線に定格一杯の負荷をかけた状態で、当該巻き線に負荷をかけたデータです。


<対応出力トランス>

メーカー型番S/PPの別取付けビス間隔1次2次コメント
春日無線変圧器OUT-41-357シングル523-5-7kΩ4-8Ω-
春日無線変圧器KA-7520シングル525-7kΩ-
春日無線変圧器KA-1215シングル5212kΩ-
春日無線変圧器KA-3250シングル602-3kΩ4-8-16Ω(★)
春日無線変圧器KA-5730シングル605-7kΩ4-8-16Ω
春日無線変圧器KA-8-54Pプッシュプル608kΩ4-8-16Ω▲PP用、廃版
春日無線変圧器KA-8-54P2プッシュプル608kΩ4-8-16Ω★★PP用、新版
春日無線変圧器KA-14-54Pプッシュプル6014kΩ4-8-16Ω★★PP用
東栄変成器T-600シングル503-5-7kΩ4-8Ω-
東栄変成器T-600/T600Zシングル507-10-12kΩ4-8Ω-
東栄変成器T-850シングル603-5-7kΩ4-8Ω推奨しません※
東栄変成器T-850シングル607-10-12kΩ4-8Ω推奨しません※
東栄変成器T-1200シングル603-5-7kΩ4-8Ω★★
東栄変成器OPT-5Pプッシュプル605kΩ(10kΩ)4-8Ω(8-16Ω)推奨しません※
イチカワITS-2.5Wシングル603-5-7kΩ4-8Ω
イチカワITS-2.5WSシングル603-5-7kΩ4-8Ω
イチカワITPP-3Wプッシュプル605kΩ4-8Ω-
イチカワITPP-3Wプッシュプル608kΩ4-8Ω★PP(要位相補正)
ノグチトランスPMF-B3.5Sシングル503.5kΩ-
ノグチトランスPMF-B7Sシングル507kΩ-
ノグチトランスPMF-B7S-32シングル507kΩ32Ω-
ノグチトランスPMF-3WS-7kシングル50(未確認)7kΩ-
ノグチトランスPMF-230シングル605-7-12kΩ4-8Ω推奨しません※

※T-850とPMF-230を実測したところ、DC重畳すると低域特性が著しく劣化し、T-600などのより小型のものと同等かそれ以下になってしまうため。
※OPT-5を実測したところ、低域特性が著しく劣り聴感上もはっきりとわかるため。
※シングル用出力トランスでは、取付けビス間隔が60mm以上のものと50mm以下のものとを境にして低域特性に顕著な差があります。★マークのものを推奨します。


<前面パネル部品>

電源スイッチ・・・画像ではトグルスイッチ用に6.2mm径の穴が開けてありますが、実際にトグルスイッチを取付けてみたらスイッチが小さくて貧相な感じがしたので、ミヤマ製ロッカー・スイッチ対応の角穴に変更しました。

音量調整ボリューム・・・ボリューム軸用の8mm径とストッパー用の3mm径の穴(中心から10mm離して)が開けてあります。この取付け穴はALPS製RK27シリーズに適合します。


<後面パネル部品>

ACメガネジャック(2極ACインレット)+コネクタ付ケーブル・・・AC100V用にはメガネ型(別名「ブタコン」)の2極ACインレットを使います。取付け穴は12.5mm×24.5mmです。AC-M01が対応しますがなかなかみつからないのでおまけでつけます。ほぼ同サイズのニコオン(NICOON)のNC-135は微妙にガタが出ますのでいまひとつですが、エポキシ系ボンドで固定すればOKです。

ヒューズホルダー・・・ヒューズホルダーはフルサイズ(30mmタイプ)ではなく、小型の20.0mmタイプです。サトーパーツのF-90(カラー)やF-7155(黒)、エコー電子のFH-043Aが対応します。取付け穴径は13.2mmです。

スピーカー端子・・・取付け穴径は8mmで、サトーパーツのT-45(頒布中のもの)やT-3025が対応しますが、穴はテーパーリーマーで容易に広げられるのでお好みの端子をお使いください。

RCAジャック・・・取付け穴径は8mmで、頒布中のものを含めてほとんどのものが対応します。なお、8mm径のままで使うと絶縁リングが入らず、RCAジャックの本体がシャーシに接触するためここがシャーシ・アース・ポイントになります。接触を確実にするために裏側の塗装をサンドペーパーで落としてください。絶縁リングを有効にしたい場合はテーパーリーマーで穴の径を広げてください。


<上面パネル部品>

9pin-mT真空管ソケット・・・取付け穴径は18mmですのでほとんどの9pinタイプの真空管ソケットが適合します。

20P平ラグ・・・中央に20P平ラグ対応の取付け穴が3個あけてありますので、8mm〜10mm高くらいのスペーサで取付けできます。取り付けるアルミ電解コンデンサの高さによってスペーサの高さが決まります(下の部品情報のところに詳しい説明があります)。3つあるうちの両端のスペーサは何でもかまいませんが、中央穴用のスペーサおよび取付けビスは絶縁上の理由で樹脂製のものを推奨します。



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