球 「一体なんでまた、わしら(6F6)なんだい。」
私 「3極管はさんざん遊んだし、そろそろ5極管をいじってやろうと思ってね。」
球 「道楽が過ぎると美人ばっかじゃ飽きるっていうわけかい。」
私 「そんなこたあないよ。5極管だって、やりようによっちゃあなんとかなるもんだよ。」
球 「なんてぇ言い草だい。はなから5極管を馬鹿にしてやがる。」
私 「卑屈になるこたぁないよ。男だったらやってみなよ。」
球 「いいんだよ。もう、わしらはほっといてくれよ。そういう話は、6V6や6L6に持って行ったらいいじゃないか。」
私 「いやだね、あんなヒーター電力をケチッた球。スクリーン・グリッドだって弱っちいし。あんたみたいに、無骨でも丈夫なグリッドを持っていなくちゃあ多極管じゃないよ。」
球 「妙におだてるじゃないか。最近の雑誌じゃあ6BQ5やら6GW8が流行っているみたいだぜ。」
私 「そうはいかないよ。インターネットで6F6pp作るって宣言しちゃったからねぇ。」
球 「多極管とか言って、あとでスクリーン・グリッドをプレートに縛り付けて性転換(3極管接続)する気じゃあないだろうね。」
私 「ちゃんと男にしてやるってば。」
球 「ほんとかなぁ。オカマ(ウルトラ・リニア接続)って手もあるからな。」
私 「スクリーン・グリッドは自由にしてやるからさ。約束するよ。」
球 「わかったよ。ここから出してくれんならあんたに付き合うよ。いつまでも段ボール箱の中ってぇのも面白くねえからな。」
私 「そのかわり、パンツ一丁(無帰還)はだめだよ。」
球 「・・・。」
私 「ちゃんと服着るんだよ。女(3極管)はスッパダカ(無帰還)でも鑑賞に堪えるけど、オトコのハダカはかんべんしてくれ。」
球 「・・・。」
という会話があったかどうかは定かではありませんが、とにかく、往年の名球(ほんまかいな)「6F6GT」を使ったプッシュプル・アンプを製作することになりました。タイトルにございます「ぺるけドライブ」やら「全段差動」については、設計編のところで詳しく説明することにいたします。