大人の自由空間 簡易シミュレーション・モデル |
Excelでできる簡易シミュレーションアンプの動作条件のほとんどは計算で求めることができます。もちろん、動作の最適化を考えると、Ep-Ip特性図を使ったロードラインによる検討は欠かすことができませんが、動作条件の概要を押さえることができたならば、回路全体の詳細な動作条件はシミュレーションできます。電子回路のシミュレーターとしてよく知られているものに「SPICE」があります。SPICEを使えば、かなり正確な動作シミュレーションが可能ですが、本ページでかんがえているシミュレーションはそういうタイプのものではありません。もっとベーシックな、電卓でもできるような簡易シミュレーションです。
SPICEも悪くはありませんが、賢すぎてあまり勉強にはならない面があります。何故なら、回路動作の計算ロジックがすでに組み込まれてしまっているからです。Excelでシミュレーション・モデルを作成する場合は、そのような回路動作の計算ロジックはすべて自力で式を書かなければなりません。だから勉強になるのです。
下図は、全段差動ベーシック・アンプの簡易シミュレーション・モデルです。Excelで作成されており、グレーの領域に必要な回路定数を入れてゆくと、回路全体の動作条件が自動計算されるしくみです。シートは2枚あり、1枚目は端子レギュレータを使った場合、2枚目はトランジスタで組んだ場合です。
◆基本モデルのダウンロード◆
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6AH4GTpp + ノグチPMC-190M :simnoguc.xls
6AH4GTpp + TANGO PH-185 : simtango.xls
(私の6L6 + PH-185モデル : sim6l6.xls)
- 増幅率(μ)・・・初段管、出力管のμ定数です。6SL7GT、6SC7ともに発表値ではなく実測値68を入れています。
- 内部抵抗(rp)・・・6AH4GTは発表値どおり約1.8kΩ、6SL7GT実測値です。
- 初段定電流特性・・・初段定電流ダイオードの値です。
- 出力段バイアス電圧・・・これはシミュレーションできません。Ep-Ip特性にロードラインを引いておおよその値を求めます。
- 出力トランス電力ロス・・・0.9くらいの値を入れておきます。
- トランジスタVBE・・・0.58Vくらいの値を入れおきます。
- トランジスタhFE・・・トランジスタの直流電流増幅率ですが、100〜200くらいの値を入れておきます。
- 電源トランスモデル・・・電源トランスのB巻き線(AC電圧とDC電流)から経験的に「えいや」で求める結果オーライ型モデルです。
- B2+ブリーダ電流・・・B2+電源とアースの間に入れて常に一定でわずかな電流を洩らすようにします。
- ロードライン・・・条件の応じて、ロードラインが自動的に引かれます。
- 電灯線・・・デフォルトは100Vですが、ご自宅の電源事情に合わせて変更します。
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