ANGO H-5Sは、高域帯域特性のなかなか優れたOPTで、普通の動作では1kHzの歪みよりも10kHzの歪みの方が低い値になります。しかし、他のアンプでも経験したのですがKNFをかけると10kHzの歪みの方が1kHzよりも多くなってしまいます。※後でわかったことですが、KNFは広い帯域で一定の負帰還特性を得るのが難しく、100Hzや10kHzでは1kHzと同等の特性にするのはほとんど無理みたいです。
0.03W〜2W間がきれいな直線になっているということは、この間の歪み成分がおおむね2次歪み主体であることをうかがわせています。
測定条件:16Ω負荷時、R-ch
KNFをかける:NFB量はわずか4dBですが、歪み率は1/3以下に減っています。これは、KNFをかけたことによってドライバ段と出力段間の2次歪みの打ち消しバランスが良くなったためです。
オーバーオールNFもかける:
NFB量は7.7dBで、歪み率はかかったNFBに比例して(計算どおりに、月並みに)減少しています。
どちらのNFBの場合も、微少出力から最大出力に至るまで、ほぼ一定の打ち消し効果が得られている点が興味深いです。
測定条件:1kHz、16Ω負荷時、R-ch