2台のデジタルテスター、同時に同じ006P電池の電圧を測っているのに表示が違う!
本の記事を書くために手持ちの2SK170を精密に測定していた時のことです。バイアスを一定にして、ドレイン〜ソース間電圧を変化させながらドレイン電流を測定していました。こういう時、テスターが3台あるとすべての電圧を同時に監視できるので作業がはかどります。ところが、測定結果がどうもおかしいのです。微妙につじつまが合わないので、てっきり測定回路を間違えたのかと思って何度も調べましたが問題が見つかりません。測定中に気温が変化したのかな、とも思ったのですが数字が合わなすぎます。もう、すっかり行き詰ってしまいました。
私が使っているテスターは以下の3台です。秋月で安かったGBWとやらがくさいので9Vくらいあるはずの006Pの電圧を測定してみたのが冒頭の画像。ほうら、やっぱりお前だ。何が11.15Vだ、そんなわけないじゃないか。
- FLUKE 73 ・・・ 信頼性のあるデジタルテスターの標準機。簡単なのに賢くてつくりも良い。
- GBW 9000A ・・・ 秋月電子で3980円で購入した出所不明(中国らしいがmade in表記なし)の超多機能機。安っぽい。
- SANWA SH-88TR ・・・ ±電圧が測れるセンターメーター付きの標準的なアナログテスター。針式なので和みます。
問題解決(というほどものではありませんが)は冒頭の画像にあります。よーく見ると左上の隅にバッテリーサインが出ているのです。そう、おばかなのはテスターではなく私なのでありました、スミマセン。そういえばこのサイン、ずっと前から出ていたような・・・。気を取り直して、古いバッテリーを取り出し、新しいバッテリーを入れてみるとバッテリーサインが消えました(当然ですが)。そこで、古い方のバッテリーの電圧をFLUKEとGBWの2人して共同で測定してみたのが下の画像。なんと、6.3Vしかありません。いちばん下の桁が0.05V(0.8%)も合わないのはご愛嬌です。
みなさん、デジタルテスターのバッテリーには注意しましょう。
しかし、バッテリーが減って正確な測定ができなくなったら、「できません」みたいなメッセージが欲しいですね。
天下のFLUKEはちゃんと出ますよ。