2石MCカートリッジ用ヘッドアンプ(1977年版)


これは1977年に製作したMCカートリッジ用ヘッドアンプの全回路図です。当時、23歳の全く未熟な頃の設計ですが、それなりに工夫などしていて面白いので載せることにしました。製作日付は1977年10月31日となっており、いちばん下に山田某とあるのがこのアンプの依頼主です。


回路の説明

アンプ部の動作のしくみについては、2石MCカートリッジ用ヘッドアンプ(1976年版)に似ていますが、こちらの方は2段目のエミッタ負荷抵抗が存在する一般的な構成になっています。初段トランジスタを3本並列にして低雑音化を試みています。

面白いのは電源部で、単三乾電池6本で約9Vを得ていますが、バッテリーの消耗をチェックするLEDインジケータがついています。残っているドキュメントによると、LEDに流れる電流は、9Vの時で5.4mA、8Vの時で4.2mAですが、7.5Vまで低下すると0.54mAにがくんと減って暗くなります。LEDが目立って暗くなったら電池を交換しろ、というつもりだったのでしょう。

また、電源供給はトランジスタによって左右に振り分けられています。

この回路を参考にして製作されるのでしたら、以下の点について変更してください。


使用部品

使用トランジスタは、アンプ部が日立製PNPローノイズトランジスタの2SA836、バッテリー・チェッカーだけはNEC製PNPローノイズトランジスタの2SA640です。日立はこの頃からすでに非常に音の良いローノイズトランジスタを作っており、私なりの2SA836と2SA640に対する評価の違いがこんなところにも明確に現れているのが興味深いです。

初段入力の「100/3T」というのは100μF/3Vのタンタル電解コンデンサです。そのほかについても、Tがつくものはタンタル電解コンデンサでしょう。


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