大人の自由空間
真空管を手に入れよう
物事をはじめるにはイメージトレーニングが大切です。イメージトレーニングは意欲の源泉になります。そこで、少々フライング気味ではありますが、真空管のひとつも手に入れてしまいたいと思います。

回路のコンセプトがどうだ、機能がどうだ、必要な出力がどうだ、なんていうことはちゃんと考えなくていいのか。真空管と言ったっていろいろな種類があってそう簡単に決められるか。ま、いいじゃないですか。お宝のような高価な球を買えなんて言いませんから。

騙されたと思って・・・

 "6SL7GT"

という球を2本調達してください。銘柄はどこでもいいです。国内の通販でも、米国の通販でも、秋葉原の真空管屋でも、どこでもかまいません。お手元に「無線と実験(MJ)」誌があったら、そこにたくさんの通販の広告がありますから、そこから選んだらいいです。

←左から、
ずんぐりプレートの軍用JAN-CHS-6SL7WGT、
長細いプレート出所不明まっくろ6SL7GT、
ぴかぴかプレートNEC製6SL7GT。

これで、同じ特性というのだから真空管は面白い。>

なお、

 "6SC7" ・・・"6CS7"ではない。真っ黒のメタル管。

という球をみつけたら、これはラッキーです。6SL7GTのかわりになるちょっと珍しい構造の球です。6SL7GTとはピン接続がちょっと違うのでそこのところだけ注意すれば、6SL7GTと同じに使えます。

←メタル管は、ガラス管に比べて細身である。
中が見えないのはちょっと残念だが、ノイズには滅法強い。

(ナイジェルさん提供のきれいな画像)

さて、次に、

 "6AH4GT"

という球も4本調達してください・・・とここに書かれていたのですが、残念ながら今や入手困難な球になってしまいました。オーディオ球としては全く光の当たったことのない球なのですが、当サイトのせいで市場にあった大半の球が全段差動PPアンプになってしまいました。もし手にはいるのでしたら銘柄はどこでもいいです。いろいろな大きさ、形のものがあります。2本ずつ特性を揃えた「ペア・チューブ」なるものも売られたりしていますが、そこまで神経質になる必要はないです。

←左から、
UNITED ELEVTRONブランド6AH4GT、
SYLVANIA製6AH4GT、
RCA製6AH4GT、
GEブランド6AH4GT。

良く見ると、内部構造はUNITEDとSYLVANIAは同じだが、ゲッター(後述)がUNITEDはバリウムでSYLVANIAはマグネシウム。

RCAとGEは内部構造は同じでも、何故かベース(ハカマ)の高さが違う。ともにゲッターは横に飛ばしてある。

皆と同じは嫌だ、とおっしゃる方は、

 "6BX7GT"

はいかがでしょうか。6BX7GTの場合は2本で結構です。もし、あなたが完全なへそ曲がりさんだったら、迷わず

 "6EM7"

を4本購入してください。その場合は、"6SL7GT"はいりません。

 "EL34" ・・・往年の名オーディオ管

も使えます。但し、これから作ろうというアンプはたかだか数Wのパワーですので、30Wや50Wくらい出せてしまうEL34はもったいない、という気もするかもしれません。しかし、El34という球はミニパワーで使ってもすばらしい音を出してくれる球ですし、EHやEIブランドで廉価に状態のいい球が入手できますから私としては一押しです。


これまでのところを整理すると、このようになります。

運がいい人6SL7GT(or 6SC7 or 6SC7GT)×2、6AH4GT×4
ノーマルな人6SL7GT(or 6SC7 or 6SC7GT)×2、EL34×4
皆と同じはイヤ6SL7GT(or 6SC7 or 6SC7GT)×2、6BX7GT×2
完全なるへそ曲がり6EM7×4

さあ、これであなたはもう後に戻れなくなりました。通販で注文された方は、品物が到着するまで暫くの我慢です。二十代の時はできなかった我慢も、今のあなたの年齢だったらできるのではないでしょうか。待つのもお楽しみというわけ。さて、待っている間に真空管についてちょっとおさらいをしておきましょう。→次のページ


■工事中■

ところで・・・

本プロジェクトで製作しようというアンプの回路では、上記にご案内した球だけでなく、ほんのちょっとしたアレンジで実にいろいろな球を使うことができます。

初段用(電圧増幅管)

電圧増幅管 コメント
6SL7GT 本HomePageで詳説。
6SC7、6SC7GT 本HomePageで詳説。
12AX7、ECC83 若干の数値変更が必要。ソケットが小型。標準シャーシには適合せず。
6EM7(第1ユニット) 複合管。標準シャーシには適合せず。
6BM8(第1ユニット・・3極部) 複合管。ソケットが小型。標準シャーシには適合せず。

出力段用(電力増幅管)

出力管 コメント 適合電源トランス 適合出力トランス
6AH4GT 本HomePageで詳説。 PMC-190M、PH-185 8kΩ
6CK4 6AH4GTに類似。 PMC-190M、PH-185 8kΩ
6BX7GT 6AH4GTに類似。
出力管部が2本封入された複合管なので、工夫が必要。
PMC-190M、(PH-185)。
電源電圧は低め。
5〜8kΩ
6L6、6L6GA、6L6GB、6L6GC、5881 3極管接続で使用。
特性は6AH4GTに準ずる。
PH-185。
電源電圧は高め。
8kΩ
EL34、6CA7 3極管接続で使用。
ヒーター電流が大きいので工夫が必要。
PH-185、(PMC-190M) 8kΩ
6550A 3極管接続で使用。
ヒーター電流が大きいので工夫が必要。
PH-185、(PMC-190M) 8kΩ
6W6GT 3極管接続で使用。 PMC-190M。
電源電圧は低め。
8kΩ
6EM7(第2ユニット) 複合管。標準シャーシには適合せず。 PMC-190M。
電源電圧は低め。
5kΩ
6BM8(第2ユニット・・5極部) 複合管。3極管接続で使用。
標準シャーシには適合せず。
東栄ZT-03ES、(PMC-190M)。
電源電圧は低め、少電流。
8kΩ

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