Power Transformer for Preamp/TubeDAC
真空管DAC/プリアンプ用Rコア特注電源トランス
(残数2、次回入荷は8月末です)



■漏洩磁束が少ないRコアの電源トランス

真空管式アンプのためのコンパクトな電源トランスを作りました。そもそもの発端は、試作したトランス+真空管バッファ式USB DAC Type3(12AX7/ECC83)が電源トランスのハムを拾ったことです。LPFで使用したインダクタがデリケートで、EIコアの電源トランスの漏洩磁束を拾ってしまい、距離を離しても十分な効果的が得られません。ショートリングの効果は大したことがないので不採用です。抜本的な対策として漏洩磁束が少ないRコアの電源トランスを作ることにしたというわけです。

ちなみに、漏洩磁束の大きさは、EIコア>カットコア>>Rコアの順です。

トランスを特注するにあたって、真空管式フォノイコライザや差動プリアンプにも適用できるように仕様を決めました。12AX7ならば3本、6DJ8でも2本分のヒーター電源をまかなうことができるように仕様を決めました。


■特注して試作する

試作の基本仕様は以下のとおりです。何台か試作テストしますので仕様は細かいところで変わる可能性があります。

<仕様>
形式:KRC-15(Rコア)
温度ヒューズ:なし
相数:単相
周波数:50Hz/60Hz
絶縁種別:A種
シールド:なし
端子処理:ラグ端子(半田付け端子)
用途:オーディオ機器
巻き線仕様:
P:100V
S1:0-100V、0.075A(AC)
S2:12.6V、0.75A(AC)
合計 16.95VA

ヒーター用として用意した12.6V/0.75A(AC)の巻き線は、ACのままならば0.75Aまで取り出せますが、ブリッジ整流してDC点火した場合は0.47Aになります。高圧側は100Vを倍電圧整流して240V〜300V/23mA(DC)が得られます。このトランスはぎりぎりでミニワッター汎用シャーシのトランスカバーに収まるようにしました。小型化を優先したためVA値に対してコアが小さめです。その結果電圧変動率が大きくなりますが、プリアンプならば問題なしと判断しました。


■特注トランスの頒布

在庫を確保しますのでいつでも発送できます。(2018.7.23現在、残数2、次回入荷は8月末です)

頒布金額:12,500円(梱包・送料別)

安心して頒布できるようになるまでにはさまざまな工程があり、センサを組み込んだ試作を行って温度試験を行うなど初期費用として試作・テストで10万円ほどかかります。最終的に7,000円くらいで出せるかと思っていましたが、トランスの製造費用は10年前と比べて2倍くらい高くなっている上に消費税が加算されるためこんな金額になりました。どうするか迷いましたが財布をはたいて50個ほど作ることにしました。市販の電源トランスよりも割高ですのでより安く手に入れたい方の要求には合いませんが、同等のものを特注すると思ったら安いだろうと思います。


■特注電源トランスのDC実測特性

試作トランスの実測結果は以下のとおりですので、自作設計の参考にしてください。2次巻き線は100Vと12.6Vの2つがありますので、測定していない側の巻き線が無負荷状態と全負荷(定格一杯の負荷)の2パターンで測定しました。実際の出力電圧は各巻き線の負荷状態に応じて無負荷と全負荷の中間のどこかになります。

100V巻き線を倍電圧整流すると、軽い負荷の時で300V前後、定格一杯の23mAを取り出した時で250V〜270Vです。ブリッジ整流すると、軽い負荷の時で150V前後、定格一杯の47mAを取り出した時で120V〜135Vです。

12.6V巻き線をブリッジ整流した場合、無負荷の時で19V前後、0.15Aの時約17V、0.3Aでは約15.5V、定格一杯の0.47Aを取り出した時で約14Vです。

注意:測定時のAC100Vの電圧は101V〜105Vの範囲で変動しています。できる限り100V時の値となるように補正しましたが±1%程度の誤差が含まれていると思います。


■特注電源トランスのAC使用

高圧側を交流のまま使うことはないと思いますが、12.6V巻き線側を整流しないで交流のままヒーター点火に使うケースがありえます。

工場側の検査データによると、全負荷で使用した場合の12.6V巻き線の電圧は12.5V/0.75Aです。6N6Pなどヒーター定格が6.3V/0.75Aの球のヒーターを2本直列でまかなうことができます。100V巻き線側の負荷が軽い場合や、ヒーター電流が0.75A以下の場合は、得られる電圧が高くなりますので、適当な抵抗を割り込ませて電圧を調整してください。


■特注電源トランスの適用範囲

差動ライン・プリアンプ(新版)・・・B電源はやや高めに出るのでMOS-FETのゲート回路の220kΩを330kΩくらいに増やします。ヒーター電源はやや低めに出るので3.3Ω2Wを撤去して様子をみるなど、電圧調整の必要があります。

差動ライン・プリアンプ(トーンコントロール付き)・・・同上。

PHONOイコライザー・アンプ 12AX7 Version1・・・B電源側は変更の必要はありません。ヒーター電源側は6.3Vから12.6Vに変更になるため、電源回路の全面的な再設計とヒーターのつなぎ方の変更が必要です。

PHONOイコライザー・アンプ 12AX7 Version2・・・2018年前半に計画中のVersion1の改訂版です。記事はまだありません。

トランス+真空管バッファ式USB DAC Type1(6J5/5C5/6L5)・・・B電源はやや高めに出るのでMOS-FETのゲート回路の220kΩを360kΩくらいに増やします。ヒーター電源は高く出るので、カットアンドトライを繰り返しながら8.2Ωおよび1.5Ωは抵抗値・電力定格ともに見直しの必要があります。

トランス+真空管バッファ式USB DAC Type2(6DJ8)・・・15AのACアダプタおよびDC-DCコンバータを配して電源回路全体の再設計になりますので各自工夫してください。

トランス+真空管バッファ式USB DAC Type3(12AX7/ECC83)・・・これから設計して組み込みます。


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