Digital Home Recording

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■■■ネットで手に入れたレシーバー基板を実用レベルに改造する■■■
Bluetoothレシーバー Version1.0


●Bluetooth4.2基板について

インターネットで見つけた2つのBluetoothレシーバーの基板のうち、鍛えればなんとか実用レベルに持っていけそうな方を料理するプロジェクトです。2つのBluetoothレシーバーの基板に関するレポートはこちら。→レシーバーの試験その2(基板編)

この基板は、amazon.co.jpで「Bluetooth レシーバー ボード」で検索して画面をめくってゆくとやがて複数の出品が見つかると思います。中国製のもので、グレーの心許ない緩衝材付きの袋に無造作に入っており、マニュアルや解説書のようなものはなく、基板とケーブルがポロリと出てきただけの実に不親切なシロモノです。CSRA64215を乗せたBluetoothモジュールに電源部やアナログ出力部を追加した構成になっています。

本基板は技術基準適合証明番号(電波を発する通信機器に要求される技術的な確認許可の証明)の表記や技適マークの表示がありません。本基板の販売者に対しては、現在技術基準適合証明番号・技適マークを表記する、あるいは技術基準適合証明番号の取得するように通知を行いました。本基板の使用にあたっては、現在十分に合法的な裏づけが得られていないことを認識してください。関連する解説はこちらにあります。

動作とペアリング:

動作のさせ方はシンプルで、DC入力のところにDC12V〜15Vの電源をつげばLEDが点滅してスタンバイ状態になります。その状態で送信側のiPhoneなどのBluetooth設定を開くと「BT-AUDIO」が現れますがこれが本機です。「BT-AUDIO」を選択するとやがてLEDは点滅から連続点灯に切り替わり、ペアリングが完了します。なお、PCのUSBに差し込むタイプのBluetoothトランスミッターでは本機は認識されませんでした。

このBluetooth基板を使って2台以上のBluetoothレシーバーを自作した場合は、どちらも「BT-AUDIO」と表示されてiPhoneなどのBluetooth設定画面には「BT-AUDIO」が2つ現れます。名称は同じですがどちらでもいいわけではなく、iPhoneやiPadはこの2台を区別して認識しています。先に接続した方を優先します。

基本仕様:

実際に基板を入手してみたところ、基板のアナログ部に実装されているCR値が異なる2タイプが見つかりました。

---Type1Type2
基本機能レシーバー
リンクIDBT-AUDIO
BluetoothモジュールCSRA64125
アナログ部モジュールNE5532(OPアンプ)
出力インピーダンス記載なし(実測:2.2kΩ)
負帰還抵抗62kΩ47kΩ
出力コンデンサ0.47μF1μF
出力レベル5.3V at 0dBFS換算4.1V at 0dBFS換算
ノンクリップ最大出力電圧2.1Vrms
通信方式Bluetooth標準規格ver4.2
電源モジュール78M09(3端子レギュレータ)
AMS117(3端子レギュレータ)
電源DC12V〜24V or AC10V〜20V(推定)
消費電流15mA〜17mA(待機時)
22mA〜24mA(接続時)
インジケータ外付けLEDの動作電流は0.7mA
基板サイズ55mm×57.5mm、H=約20mm
NotesリレーにてBluetoothと外部入力を切り替え
価格約2,600円@amazon

Type1、Type2の識別法:

2つのタイプの識別法ですが、下図の水色とピンクの区間にΩレンジのテスターを当てて測定した抵抗値で判定できます。「62kΩ」であればType1、「47kΩ」であればType2です。amazon.co.jpでは、2200円程度で売られていて「明日中にお届け」とあるのがType2です。2900円くらいで「2〜3日以内に発送(お届けではない)」とあるのがType1でした(過去形)。

基板上にはコネクタがたくさんついていますが、それぞれの役割は裏面を見ると概ね見当がつきます。OUTがアナログ出力(L/R)、INが外部入力(L/R)という表示ですが、どうも左右が逆のようです。左右間違えて基板作ってしまったのでamazonで売りさばいているのか、もっと別の何かがあるのか、間違いに気づいていないのか、いずれ正しくなるのか不明です。アナログ出力は、Bluetooth側がPLAY状態になっていない時はリレーによって外部入力に切り替わりる仕様になっています。

その他の仕様:

電源関係は、DC+/-とAC-INの2系統があります。AC-INの近くにはブリッジ整流ダイオード(ABS10)と470μF/35Vがあるので、AC入力にも対応した基板のようです。供給電圧(おそらく12V〜)を78M09によって9Vまで落とし、これがアナログ部(NE5532)の電源になります。ちなみに78M09はDC11.5V〜25Vを入力として安定化されたDC9.0Vを出力するレギュレータです。これをさらにASM1117で3.3Vまで落としてCSRA64125に供給しています。全消費電流(実測)は、待機時で15mA〜17mA、接続時で22mA〜24mAでした。

アナログ部は電源電圧が9Vしかないため、無歪みで得られる最大出力電圧は2.1Vrmsどまりです。また、プラス電源での動作であるため、出力側のDCカットコンデンサとして0.47μF(赤い四角い部品)が追加されています。(2個目を購入したら0.47μFではなく1μFがついていました。)

アンテナは基板内蔵のもののほかに外部アンテナのためのUFLコネクタがついていますが、配線は内蔵アンテナ側につながっており、外部アンテナへの接続は切れています。外部アンテナを生かすために解説はこちら「Bluetooth用2.4GHzアンテナの工作」にあります。

受信状態を知らせる機能がついており基板上のLEDが点滅/連続点灯しますが、外部のLEDのための端子もついています。高輝度LEDを想定しているよう動作電流は0.7mAと少なめに設定されています。

そのほか曲送り、音量調整のためのリモコン機能端子もあります。「COM〜VOL+」、「COM〜VOL1」間を一瞬ショートさせると曲送り/戻しになり、ショートし続けると音量が1ステップずつ増減してゆきます。iPhone側のボリュームを開いてみるとiPhone側が操作されている様子を確認できます。

周波数特性:

出力レベル(dB)の表示は以下の理由により表記が変則的な扱いになっています。デジタルフォーマットの最大振幅(0dBFS)をそのまま送信すると、アナログ回路が飽和して波形はクリップし激しく歪みます。0dBFSで5.3Vとなるはずのところ2.1Vまでしか出すことができません。そのため本来0dBになるはずのところが-4.5dBあたりになっており、しかもこの時の波形は潰れています。波形が潰れているために、周波数特性が実際よりも良く見えています。低域側は-3dBの減衰ポイントは22Hzです。落ちはじめの周波数が高めで残念です。高域側は減衰しつつも21.5kHzまで出ています。

歪み率特性:

歪み率は、素のままの出力と80kHzおよび20kHzのローパス・フィルタを通した3パターンで測定しました。フィルタなしのオリジナルのままの歪み率は黒い線でこれが各機の製品としての実力です。80kHzのローパス・フィルタを通したのが青い線、20kHzのローパス・フィルタを通したのが水色の線で、これと比べることでノイズの分布やアナログ回路の程度がわかるので参考のために書き加えました。最低歪み率は0.24%であまり良いとは言えませんが、80kHzのローパス・フィルタを通すと0.1%まで下がり、20kHzのローパス・フィルタを通すと0.035%まで下がります。LPFの併用次第でなんとか実用レベルまでもっていけそうに思います。

デジタルフォーマットの最大振幅(0dBFS)をそのまま送信すると、アナログ回路が飽和して波形はクリップし激しく歪むということを周波数特性のところで述べました。そこで、歪みの原因となっている直線性について調べてみた結果が下図です。本来、きれいな直線でなければならないところ、ずいぶん激しく曲がっています。これを歪ませずに使うには、アナログ部のOPアンプの利得を下げる必要があります。

雑音特性:

歪み率特性データから得られる残留雑音の大きさは以下の通りです。

---4.2Board-2
フィルタなし5mV
80kHzのローパスフィルタ2mV
20kHzのローパスフィルタ300μV

なお、iPhone側のプレーヤーを停止状態にした場合はデジタル出力が完全にカットされます。上記のノイズが出るのは演奏中だけです。デジタル機器ならではの興味深い動きです。


●アナログ部の回路図を起こす

アナログ部の回路がどうなっているのか回路図にしたのが右図です。調査してくださったのは掲示板で書き込みされたやまぐちさんです。

回路の基本となっているのはOPアンプを使ったごく標準的なバランス→アンバランス変換回路です。5.7〜7.6倍の利得を持たせていますがどうみても過剰です。

アナログ出力部は+9Vのプラス電源なのでNE5532の入力側も出力側も電源電圧の1/2の4.5Vが出ています。このバイアスを与えているのが2つの8.2kΩです。そのため入出力ともにDCカットためのコンデンサが必要です。そのコンデンサは面実装タイプなので容量はあまり大きくないだろう(推定1μF)と思いましたがやはり1μFだったようです。低域が減衰している原因は入力のところにある1μFと8.2kΩの時定数が犯人です。

出力回路はリレーによって「Bluetooth出力」と「LINE input(外部入力)」の切り替えになっています。リレーは常時「LINE input(外部入力)」につながっており、Bluetoothの送信側のプレーヤがPLAYモードになるとリレーが作動して「Bluetooth出力」に切り替わります。出力インピーダンスの実測値が2.2kΩとなったのは出力のところに入れてある2.2kΩがあるからです。


●改造した回路図

<利得の適正化>

まず最初に行ったのは、アナログ部の利得を正常にすることでした。サイズが大きいOPアンプ(NE5532)を使ってくれたおかげで基板の裏面にハンダを入れる余裕があったのです。負帰還抵抗の62kΩ/47kΩに触れることはできなくても、62kΩ/47kΩと並列に抵抗を追加するのは容易なことでした。カット&トライを繰り返すことで、27kΩ/24kΩあたりが適切であることがわかりました。この時の出力電圧は0dBFS換算で1.9V(Type1)/1.7V(Type2)となり、大音量でも歪むことはなくなりました。(赤字はType1、青字はType2)

<低域特性の改善>

低域特性を根本的に改善するには、CNFの容量を大きくする必要がありますが面実装基板でそれは現実的ではありません。そこで思いついたのが中和方式です。負帰還アンプの利得は負帰還回路を構成するCR値の比で決まりますから、比が一定となる帯域を広げてやればいいわけです。それが27kΩ/24kΩと直列に入れた0.18μFです。

62kΩ/47kΩと並列に27kΩ/24kΩを入れただけの時の周波数特性が赤い線、0.18μFを追加したときの周波数特性が青い線です。しかし、これだけではまだ減衰が生じたのでType1では0.47μFを1μFに変更しています。幸いなことに0.47μFは面実装ではなく通常の大きなサイズのフィルムコンデンサであるため、取り付けるための十分なスペースがありました。Type2は最初から1μFがついているので変更の必要はありません。

このチューニングにあたっての注意事項としては、通電に十分な時間をかけて行う必要があります。何故なら小型の積層セラミックコンデンサは印加したDC電圧によって容量が変化するからです。一般にDC電圧を印加すると容量が減ります。この基板に実装されている1μFの積層セラミックコンデンサもその傾向があり、電源ON直後と15分後とでは低域特性にかなりの差が生じます。

<電源ノイズの低減>

OPアンプは基本特性として電源のノイズには強いのですが、プラス電源方式では電源電圧の1/2のバイアスを与える回路が電源のノイズの経路になってしまうので要注意です。アナログ部の電源のノイズの状態につい実測してみたところ、0.3mV程度の広帯域ノイズを認めました。原因は、NE5532のすぐそばに取り付けてある220μF/16Vの性能不足(ESRが高い、容量が足りない)のようです。

これを解決する方法は2つあります。ひとつめは、220μF/16Vを撤去して470μF/16V交換する方法です。但し、マイナス側は基板のベタ・アースなので放熱が良いため、220μF/16Vをはずすのは少々困難です。ふたつめは、220μF/16VはそのままにしてOPアンプの8番(+)と4番(GND)の間に470μF/16Vを追加する方法です。これらによって0.3mVあった電源ノイズは0.15mV〜0.2mVまで減らすことができます。

<デジタルノイズのカットのためのLPF>

デジタルノイズを始末するためのLPFは「市販レシーバーにLPFを追加して特性改善する」の時のデータを参考にして設計することにします。その場合、Q制御のための直列抵抗の値は700Ω前後が最適値となりましたが、このレシーバー基板の場合は出力のところに2.2kΩが入れてあるため、このままでは減衰カーブが甘くなりすぎます。そこで2.2kΩはバイパス(ショート)して殺してしまい、LPF側に750Ωを配置しました。(初期の製作では2.2kΩと並列に1.2kΩを抱かせましたが後に変更しました)

<高域特性の補正>

このレシーバー基板は10kHzで+0.07dB、15kHzで0.13dB、18kHzで0.145dBほど持ち上がっています。そこでLPFで10kHz以上でわずかに減衰するようにチューニングしています。LPFのQ制御抵抗が700Ωではなく750Ωと高めになっているのはそのためです。

<外部入力をショート>

Bluetoothの送信側のプレーヤが停止した状態ではリレーが外部入力側につながります。基板をこのままにしておくと入力がオープン状態になってノイズを拾いやすくなって具合が悪いので、外部入力をアースとの間でショートさせることにしました。これでプレーヤが停止した状態では完全にミュートされるようになります。

<電源スイッチ>

市販のBluetoothレシーバーの多くは電源スイッチがついていません。しかし、リンクが切れるとインジケータのLEDが点滅しっぱなしで目障りなので、本機では電源スイッチをつけました。


●部品

<共通部品>

Bluetoothレシーバー基板(型番なし)・・・amazon.co.jpで「Bluetooth レシーバー ボード」で検索して画面をめくってゆくとやがて複数の出品が見つかります。基板の画像で判断してください。当初は中国から発送していたので注文してから到着まで2週間ほどかかりましたが、最近は日本に在庫を持ったようです。
インジケータ用LED・・・動作電流が0.7mAと少ないです。普通に売られている赤・橙・黄・緑のLEDは3mA〜6mAくらい流して普通の明るさになりますからこれを0.7mAで使うとかなり暗いです。ここではやや高輝度のものがいいでしょう。製作では3mm径ツヤ消し砲弾タイプの青色LEDを使いました。0.7mAですとやや明るめに光ります。
10mm樹脂スペーサ・・・基板の裏側でCRを空中配線しますが、スペーサに近接してハンダづけを行うため金属スペーサですと誤接触のリスクが生じます。基板には10mm金属スペーサが付属しますが、そのうち1つを樹脂スペーサに交換します。
ACアダプタ・・・DC12VまたはDC15Vで0.5A以上の廉価品を使います。全消費電流は30mA以下でわずかですが、Bluetooth基板のDC入力のところに470μFがついているので0.25A程度の電流定格のものですと電源ON時に保護回路が働いてしまうことがあります。
RCAジャック、10mmグロメット・・・グロメットとは、コネクタを使わないでRCAケーブルなどを通す穴の周囲を保護するリングです。内穴7mm、ケース穴10mm、ケース厚1mmです。RCAジャックを取り付ける場合は不要です。

<樹脂ケース部品>

ケース・・・ケースは、電波を通す必要があるので基板の内蔵アンテナで受信させたい場合は金属製は使えません。かといってアナログ出力部はできればシールドしてやりたいところです。底板のみアルミ製の樹脂ケースを探したところ、テイシン(株)のTB-4 B(Black、500円くらい)というのを見つけました。共立エレコム、モノタロウ、千石等で扱っています。
6mm金属MFスペーサ+アースラグ・・・8P平ラグの取り付けで使用しました。アルミ製の底板とアースをつなぐのにアースラグを使っています。平ラグをできるだけ底板に近づけてシールド効果を高めるために短い6mmタイプを選択しました。

<アルミケース部品>

ケース・・・ケースは、タカチのHEN110412Sを使いました。
2.4GHzアンテナ・・・UFLコネクタ・ケーブル付きと、アンテナとケーブルが別になったものとがあります。アンテナに関する詳しい解説はこちらです。
UFL-SMA変換ケーブル+SMAオス〜SMAオス・リバース・コネクタ・・・ケーブルなしアンテナを使う時に基板とアンテナの接続に使います(本文の解説参照)。
8mm金属MFスペーサ+アースラグ・・・8P平ラグの取り付けで使用しました。シャーシアースを確実にした場合のためにアースラグを使う場合も考えておきます。


部品の頒布・・・とりあえず、この記事に該当するものを公開しました。→ http://www.op316.com/tubes/buhin/buhin.htm


●改造と製作

<基板の改造>

基板の改造は少々細かい作業と空中配線になります。基板上のハンダは少し吸い取ってから作業しないときたなくなったり、山が大きくなりすぎて隣との誤接触になります。OPアンプのピン接続を裏側から見たのが右図ですので画像の読み取りの参考にしてください(文字が裏返しです)。

<手順0>Type1では、基板上の0.47μF(赤色)を撤去し、1μF(茶色)を取り付けます。
<手順1>出力抵抗2.2kΩをバイパスしてショートさせます。
<手順2(省略可)>NE5532のそばにある220μF/16Vを470μF/16Vに交換するか、基板裏面のNE5532のピンに追加します※。
<手順3>負帰還抵抗62kΩ/47kΩと並列になる「0.18μF+27kΩ(Type1)/24kΩ(Type2)」を取り付けます。
<手順4>ライン入力RIN〜GND〜LIN間をショートさせます。
<手順5>外部LEDへの線を引き出します。

※基板についている220μF/16Vを撤去して470μF/16Vと交換すれば収まりがいいですが、基板がハンダの熱を吸ってしまうので220μF/16Vの取りはずしは少々難しいです。この変更は省略しても特性にほとんど影響はありません。

基板の改造にあたってはこつと注意点があります。ベタアースを含む多層基板であるため、熱伝導が非常に良いのでハンダごての熱をどんどん吸収拡散します。非常に細かい作業になるので細いこて先を使いたくなりますが、こて先が細いと熱の供給が追いつかずに基板の放熱に負けてしまい、こて先を当て続けてもハンダが溶けてくれません。こて先は太すぎず細すぎずの中くらいが作業性が良いです。熱と不純物で疲労したハンダはトラブルの原因となるのでこまめに除去する必要があるため、作業ではハンダ吸い取り線(または器具)は必須です。


左から、手順2、手順3、出来上がり。基板に付属していた金属スペーサでは誤接触のリスクがあるので、そのうち1個は樹脂スペーサに交換しています。

<LPFの製作>

次に、8P平ラグを使ってLPFを作ります。2個のインダクタ(2.7mH)は相互に干渉して左右チャネル間クロストークが悪化するのでできるだけ離す必要があるため、インダクタは平ラグの両端に取り付けます。中央が左右共通のアースで、ここから基板からのアース、出力へのアース、底板につなぐアースとつなぎます。

<実装その1(樹脂ケース)>

付属のシールドケーブルの通りに赤(R)、白(L)とつないだら左右が逆になって出てきましたので、平ラグ上の配線が赤/白逆にしてあります。何故左右が逆なのか謎です。

LEDと表示された端子からケーブルを引き出してとりあえず橙色LEDを取り付けましたが、動作電流が0.7mAにセットされているためかなり暗いです。そのうち高輝度のものに変更します。電源ケーブルは赤(+)、黒(−)ですのでそのままDCジャックにつなぎます。この作例では電源スイッチがありませんが、接続がない時にLEDが点滅して煩わしいのでつけることをおすすめします。

Bluetooth基板に付属していた10mmの金属スペーサでは高さが足りないことがあると思って当初は15mmの樹脂スペーサに交換しましたが、10mmで十分に足りることがわかったため現在は10mmに落ち着いています。追加するコンデンサは基板やシャーシと接触しても問題ありません。スペーサに近接して改造する部分については、接触事故を防ぐために1ヶ所だけ樹脂スペーサに交換しました。

出力端子/ケーブルは1mの廉価なRCAケーブルを半分に切って使いました。頒布しているRCAケーブルは廉価ですがアルミテープ・シールドがついたシールド効果が大きいものです。その副作用として容量は270pF/mと大きめです。アルミテープはハンダが乗りませんので切除して並走している銅線にハンダづけします。

<実装その2(アルミケース)>

Bluetooth基板は基板上にアンテナがついていますが、金属ケースは電波を通しませんからケースの外にアンテナを立てなければなりません。周波数帯はWi-Fiと同じ2.4GHzなので2.4GHz用のアンテナが必要ですが、非常にポピュラーなので容易かつ廉価に手に入ります。問題はアンテナのケースへの取り付け固定と、Bluetooth基板とアンテナをつなぐケーブル/コネクタです。

アンテナについては解説を別に分けました。こちらを参照してください→ 「Bluetooth用2.4GHzアンテナの工作

Bluetooth基板に付属していた10mmの金属スペーサでは高さが足りないことがあると思って当初は15mmの樹脂スペーサに交換しましたが、10mmで十分に足りることがわかったため現在は10mmに落ち着いています。追加するコンデンサは基板やシャーシと接触しても問題ありません。スペーサに近接して改造する部分については、接触事故を防ぐために1ヶ所だけ樹脂スペーサに交換しました。

出力端子/ケーブルについては、前述の「実装その1(樹脂ケース)」を参照してください。Bluetooth基板からの出力(out端子)は左右が逆です。付属のシールド線の場合、赤=L-ch、白=R-chですのでお間違いのなきよう。

下の画像では、RCAジャックを後面パネルにじか付けしてここでシャーシアース・ポイントとするつもりでしたが、アルマイト処理が邪魔をして後面パネルとの間で導通が得られませんでした。そこで平ラグを支えている金属スペーサのところでシャーシアースを取っています。タカチのHENシリーズのケースは絶縁性があるアルマイト処理なので、単に接触させただけでは十分な導通が得られないことがあります。必ずテスターでアースラインとケースとの間で導通がとれているか確認してください。

<追記・・・LEDの照度調整>

当サイトで製作している他の機材で使用した黄緑色のLEDは市販のさまざまな製品と比べるとかなり暗めに設定しています。暗闇の室内でチカーッ!と激しく光るのが嫌いなのです。本機の青色LEDは、一般的にはこれでちょうどいいかなというくらいの明るさですが、これまで製作してきた他の機材の黄緑色のLEDと比べるとちょっと明るすぎます。

この基板のLED点灯回路は約0.7mAの定電流動作のようなので、明るさの調節はLEDと並列に抵抗器を抱かせて電流をバイパスさせる方法で行います。青色LEDの順電圧は2.7Vくらいなので、これに10kΩを抱かせると-0.27mAとなり相当に暗くなります。20kΩを抱かせると-0.135mAとなりちょうどいい感じになりました。同じようなことをされたい場合は、15kΩ〜33kΩくらいの範囲で好みの明るさになるように調節されたらいいでしょう。

抵抗器はU字型に曲げ、LEDのリード線は開き気味にして引っ掛けてぶら下げるように取り付けました。見た目が良くないですが、そもそも基板側も空中配線ですからこれでいいことにします。


●特性

出力電圧(Type1):1.9V(0dBFS換算)
出力電圧(Type2):1.7V(0dBFS換算)
出力インピーダンス:760Ω
周波数特性:10Hz〜21kHz(+0.4dB、−3dB)
残留雑音:380μV(帯域1MHz)、280μV(帯域80kHz)
電源:DC12V〜15V、16mA〜24mA

出力電圧は、-6dBFSの時で0.85V(Type2)が出ますが、0dBFS時には2倍の1.7Vにはならずに1.6Vにとどまります。しかし波形が潰れたり歪が増えるわけではないという面白い現象が出ています。これはメーカー製のBluetoothレシーバーでも観察されますので、Bluetooth特有の現象のようです。低域のフラットネスは中和回路を構成する2つのコンデンサ容量に依存しますので100Hz以下の帯域では完璧なフラットネスは期待できません。基板に実装されてるコンデンサ(CNF)の値にはかなりばらつきがあるため、超低域では±0.4dBくらいのばらつきは大目に見る必要があります。

Type1

Type2


●コメント

紆余曲折の末いろいろと手を加えた結果、実用レベルの音が出たように思います。現在、我が家の居間で動作していますが、手元のiPhoneで操作できるのでなかなか快適です。iPhone8との接続は非常に安定しています。残留雑音は、380μVまで下がりましたからこのLCフィルタはなかなか優秀です。しかし欲を言えばもう少し下げたいところですので、機会があったらもう少し工夫してみるつもりです。



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