Digital Home Recording

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■■■USB DAC+Bluetoothレシーバー Version3.0■■■

Bluetoothレシーバーを製作して日常的に使うようになっていきなりカミサンに言われたのが「パソコンとスマホを1つにしてスイッチで簡単に切り替えできないの?」でした。そんなことを感じた方は多いだろうと思います。そこでご期待に応えるべくUSB-DACとBluetoothレシーバーを1台にまとめたのが本機です。母体となったのはFET差動バッファ式USB DAC Version2BluetoothレシーバーV2で、回路的には目新しいものはありませんが使用感は格段に良くなりました。

ご注意:本記事はBluetooth基板「Type2」限定です。「Type1」には対応していません。


●AKI.DAC基板とBluetooth基板の共用化

<全体の構成>

じつにさまざまな構成とまとめ方が考えられますが、一定のクォリティや機能的なまとまりと、作りやすさやコンパクトさを両立させた結果このような構成になりました。

<LPF(ローパスフィルタ)は基本的に同じでよい>

AKI.DACC基板もBluetooth基板も共通してそれなりの音は出るものの盛大なデジタルノイズが漏れており、これが音のクォリティを著しく下げています。デジタルノイズが分布する帯域は若干異なりますが、いずれにしても22kHzから上をカットすることで改善できますから、LPF(ローパスフィルタ)は基本的に同等のものでよいことになります。

<出力信号レベル>

AKI.DACの信号出力レベルは、0dBFSにおいて0.63Vですが、これまで製作してきたBluetooth基板の信号出力レベルは0dBFSにおいて1.0V〜1.9Vです。同じアクティブフィルタ・アンプを使うとすると、Bluetooth側にアッテネータを入れるか、両者の信号出力レベルを揃えるか、ソースによってアクティブフィルタ・アンプの利得を変えるか、とにかく何らかの方法で出力信号レベル合わせをする必要があります。アッテネータを入れるとソース・インピーダンスが変わってしまうのでLCフィルタが正常に機能しなくなるため話がちょっと面倒になりますし、アクティブフィルタ・アンプの利得をソースごとに変化させる方法は更に厄介です。本機では、Bluetooth基板の信号出力レベルをAKI.DACと同じレベルまで下げることで共用化を実現しています。

<電源の供給>

AKI.DACはUSBのVBUS電源(約5V)を流用していますが、Bluetooth基板はDC12V〜15Vを必要とし、アクティブフィルタ・アンプはDC30Vから得た+22Vと-8V程度の電源を必要とします。これら3つの異なる電源を矛盾することなくコンパクトに構成しなければなりません。FET差動バッファ式USB DAC Version2では、VBUS電源の5VをDC-DCコンバータでDC24Vまで昇圧してアクティブフィルタ・アンプに供給していました。しかし、本機ではUSBに接続しない使い方も想定しなければならないのでその方法は採用できません。AKI.DAC側はオリジナルのままVBUS電源を使用し、Bluetooth側はBluetoothレシーバーV2と同じDC12V〜15VのACアダプタを使う方式としました。

<LED点灯>

各種インジケータとしてのLEDの扱いはちょっと工夫が必要です。

AKI.DAC・・・USB接続が行われているかどうかのインジケータ。USB接続の有無によって「消灯/点灯」。
Bluetooth・・・ペアリングしているかどうかのインジケータ。ペアリングの有無によって「点滅/点灯」
電源・・・本機の電源のON/OFFのインジケータ。OFF/ONで「消灯/点灯」。
前面パネル側は電源ON/OFFのインジケータのみとし、USB接続とBluetoothペアリングのインジケータは後面パネル側としました。何故ならば、USB接続やBluetoothのペアリングの状態は常時把握・監視する必要はないということと、Bluetoothのペアリングをしない使い方をする場合にLEDが点滅しっぱなしになって目障りだからです。LEDをどう扱うかは製作者の好みでアレンジしたらいいでしょう。

●AKI.DAC基板について

製作で使用したAKI.DAC基板について「AKI.DAC-U2704 (秋月電子のDACキット) の使い方」に重要な解説がありますので必ずお読みください。

●Bluetooth4.2基板について

製作で使用したBluetooth基板について「Version1.0・・・LCフィルタ」に重要な解説がありますので必ずお読みください。Type1とType2の識別法もそちらにあります。

本基板は技術基準適合証明番号(電波を発する通信機器に要求される技術的な確認許可の証明)の表記や技適マークの表示がありません。本基板の販売者に対しては、現在技術基準適合証明番号・技適マークを表記する、あるいは技術基準適合証明番号の取得するように通知を行いました。本基板の使用にあたっては、現在十分に合法的な裏づけが得られていないことを認識してください。関連する解説はこちらにあります。


●各基板のアレンジ

<USB-DAC基板のアレンジ>

重要な変更点は2つです。一つめは低域の左右チャネルクロストークを支配しているC11の増量で、二つめは出力回路の変更です。AKI.DACのオリジナル回路は出力が47μF(C5,C6)の出しっぱなしになっています。この状態でUSB-DACとBluetoothの切り替えを行うと大きなポップノイズが出ます。そこでC5,C6の電荷を逃がす抵抗器(10kΩ)を出口側に追加しました(右の画像の赤で囲んだ部分)。さらにおまけ程度ですが基板上の他のコンデンサについても若干の変更を行っています。

回路図部品名キット付属変更後
C547μF/25V出口側のアースとの間に10kΩを追加
C647μF/25V出口側のアースとの間に10kΩを追加
C1147μF/35V1500μF/10V
C14470μF/25V1000μF/16V
C16100μF/35V220μF/10V
C17100μF/35V220μF/10V


<Bluetooth基板側のアレンジ>

NE5532アンプの利得を下げつつ低域の減衰を補償する回路定数をカット&トライで求めたところ、1μF+4.7kΩに落ち着きました。0dBFSにおける出力信号レベルは、AKI.DAC側とBluetooth側がほぼ同じになりました。

2.2kΩは33Ωでバイパスさせます。これはDACの基本特性がAKI.DACとBluetoothとで10kHz以上の帯域で微妙に異なるのを微調整するためです。LCフィルタ(2.7mH+8200pF)からみたソース・インピーダンスが、AKI.DACの時は360Ωであるのに対して、Bluetoothの時は393Ω(=33Ω+360Ω)とやや高めになるようにチューニングしています。リレーで切り替わる外部入力は使用しないので、そちらに切り替わった時にオープンにならないようにショートさせておきます。電源ノイズの低減のための470μF/16Vの取り付けについてはVersion1と同じですので詳しい解説はVersion1を参照してください。

補足情報(2019.9.5):

回路定数が異なる3番目の個体がみつかったという報告がありました。入力抵抗が8.2kΩから10kΩに変わり、負帰還抵抗47kΩと並列の82pFが10pFに変わったようです。この基板をそのまま下図のようにアレンジすると200kHで発振したので、82pF〜100pFしたところ発振は収まったとのことです。この個体に当たってしまった場合、面実装の10pFを交換するのは困難なので82pF〜100pFを空中配線で追加してください。

 


<LCフィルタとアクティブ・フィルタ回路>

アクティブ・フィルタの回路は単段差動回路にエミッタフォロワを追加したもので、ベースとなったのは「FET差動バッファ式USB DAC Version2」のバッファアンプです。この回路は「Bluetoothレシーバー Version2.0」でも使用しました。これを利得約2.8倍にアレンジして使っています。

アクティブ・フィルタ特性の時定数は、LCフィルタの2.7mHと8200pF、アクティブ・フィルタの3.3kΩと1200pFの2つで決定されます。減衰が始まる肩特性の状態は、2.7mHのDCRと360Ωとソース・インピーダンス(実質0Ω)、それから3kΩと1.8kΩによる帰還比率で決定されるので、これらを微調整することでチューニングできます。利得は負帰還抵抗(22kΩと11kΩ)の比率と裸利得の関係によって決まります。但し、利得がが変わるとフィルタ側の帰還抵抗(3kΩ+1.8kΩ)もチューニングし直しになりますので、気軽に利得を変えることはできません。

差動回路にはバイアス特性で精密に選別した2SK170-BLを使用しましたが、2SK117-BLを使ってもほとんど同等の結果が得られます。差動回路の共通ソース側の定電流回路にはIdss=3.6mA〜3.8mAの2SK30Aまたは2SK246をゲート〜ソース間をショートさせて使用しました。エミッタ・フォロワには2SC1815-Yを使用しました。

<回路定数と代替部品・・・Type2>

私の病気のせいで部品頒布がこころもとなくなってきてこれから先どうやりくりしたらいいか不安な方も多いと思いますので、そんな不安を払拭する記事を追加することにしました。みなさんいとって一番の悩ましいは、定電流回路で使用するIDSS=3.6mA〜3.8mAの2SK30A-GR(または2SK246-GR)の調達だと思います。しかし、本機の定電流回路の電流値は必ずしも3.6mA〜3.8mAでなければならないのではありません。たまたまそれくらいのIDSS値の2SK30Aが多いからその値を選んだにすぎません。

2SK30A-GR(または2SK246-GR)を無作為に選んでIDSS値を測定すると、3.2mA〜4.6mAくらいの範囲に収まります。これらはどれでも使うことができます。そのために必要なのは、ドレイン側の負荷抵抗(5.1kΩと6.2kΩ)の値を変えればいいのです。そのための条件は、定電流値が変わっても差動回路の右側のドレイン電圧(回路図では9.0V)が9.0V±10%の範囲になるようにすればいいだけのことです。

IDSS=3.2mA → 5.6kΩと6.8kΩ
IDSS=3.4mA → 5.6kΩと6.8kΩ
IDSS=3.6mA → 5.1kΩと6.2kΩ
IDSS=3.8mA → 5.1kΩと6.2kΩ
IDSS=4.0mA → 4.7kΩと5.6kΩ
IDSS=4.2mA → 4.7kΩと5.6kΩ
IDSS=4.4mA → 4.3kΩと5.1kΩ
IDSS=4.6mA → 4.3kΩと5.1kΩ
つまり、2SK30A-GR(または2SK246-GR)または2SK2881(秋月にあります)を数本手に入れてIDSSの簡易測定を行い(簡易測定の方法はこちら)、比較的値が近い2本を選んだらそれに合わせてドレイン負荷抵抗を決めたらいいのです。

差動回路の構成する2SK170-BLは継続頒布を行いますが、2SK117-BLや2SK2881でも代用できます。その場合もIDSSの簡易測定(方法はこちら)で十分しのげます。

<電源部>

主電源としてDC12V〜15VのACアダプタを使用します。Bluetooth基板への電源供給はDC12V〜15Vをほぼそのまま使います。アクティブ・フィルタはできるだけ高い電源電圧が必要なので、9V〜18V入力で安定した30Vの出力が得られるDC-DCコンバータのMCW03-12D15を採用しました。入力側の2つのインダクタ(47μH)と周辺のコンデンサは、MCW03-12D15のスイッチング動作の効率を維持するためと、MCW03-12D15から発生するスイッチング・ノイズを逆流させないためです。

MCW03-12D15の出力側のOSコン(22μF)やLCフィルタ(470μH+4.7μF)は、昇圧された出力に残存するスイッチング・ノイズを除去するためのものです。電源自体は、10kΩと3.6kΩによる抵抗分割型の擬似プラスマイナス電源です。MCW03-12D15は、整流出力直後の容量負荷に制限があるため、470μHの後もプラス側、マイナス側ともに100μFと控えめな値にとどめています。270Ω以降はその懸念がないので容量を増やしてあります。全体としては簡単なリプルフィルタですが、これでアンプ部の電源の残留ノイズは30μV以下になっておりオーディオ回路への悪影響が生じないレベルの抑えてあります。

本機の電源回路は、電源ONから安定状態になるまでに数十秒を要しますが、そこにはコンデンサ容量に起因するちょっと面白い過渡現象が生じます。プラス側とマイナス側それぞれのコンデンサの総容量はともに「2100μF=100μF+1000μF×2」です。ということは、電源ON直後のプラス電圧とマイナス電圧は1:1すなわち15V:15Vになろうとします。しかしDC的には1:1ではなく10kΩ:3.6kΩですから時間とともに22V:7.9Vに収束してゆきます。分割抵抗値が小さいほど収束に要する時間は短縮されますが消費電流は増加します。程よいところで10kΩ+3.6kΩという値に落ち着いたわけです。


●部品

<共通部品>

AKI.DACキット基板・・・おなじみ秋月電子通商USB-DACキットです。

Bluetoothレシーバー基板(型番なし)・・・amazon.co.jpで「Bluetooth レシーバー ボード」で検索して画面をめくってゆくとやがて複数の出品が見つかります。基板の画像で判断してください。当初は中国から発送していたので注文してから到着まで2週間ほどかかりましたが、最近は日本に在庫を持ったようです。

インジケータ用LED・・・USB-DAC用は一般的な橙色LED(ツヤ消し砲弾タイプ、3mm径)、Bluetooth用はやや高輝度な青色LED(ツヤ消し砲弾タイプ、3mm径)、電源用は黄緑色LED(筒型、3mm径、PG3889S)を使用しました。

10mm樹脂スペーサ・・・基板の裏側でCRを空中配線しますが、スペーサに近接してハンダづけを行うため金属スペーサですと誤接触のリスクが生じます。基板には10mm金属スペーサが付属しますが、そのうち1つを樹脂スペーサに交換します。

ACアダプタ・・・DC12VまたはDC15Vで0.5A以上の廉価品を使います。全消費電流は100mA以下でわずかですが、Bluetooth基板のDC入力のところに470μFがついているので0.25A程度の電流定格のものですと電源ON時に保護回路が働いてしまうことがあります。

半導体・・・2SK170-BLはバイアス特性で選別したペアを使いますが2SK117-BLも使えます。2SC1815-Yについては特に選別条件はありません。2SK30A-GRは、定電流ダイオードとして使うので、IDSS値が3.6mA〜3.8mAの範囲のものを選別します。2SK246-GRも使えます。

DC-DCコンバータ・・・MCW03-12D15は、DC9V〜18V入力で安定化されたDC15V×2が得られるユニットです。

インダクタとコンデンサ抵抗器・・・47μHは許容電流が300mA以上でDCRが1Ω以下のもの、470μHは許容電流が100mA以上でDCRが10Ω以下のもの、2.7mHは許容電流が10mA以上でDCRが25Ω以下のものが適します。10μは耐圧25V以上、4.7μFは耐圧50V以上の積層セラミック・コンデンサです。22μFは耐圧25V以上のOSコンです。8200pFと1200pFと1μFは積層セラミックコンデンサはNGで、必ずフィルムコンデンサを使ってください。100μF〜1000μFは通常タイプのアルミ電解コンデンサです。抵抗器はすべて1/4W型金属皮膜抵抗器を使いました。

ケース・・・ケースは、タカチのHEN110420Sを使いました。

2.4GHzアンテナ・・・UFLコネクタ・ケーブル付きと、アンテナとケーブルが別になったものとがあります。アンテナに関する詳しい解説はこちらです。

タカス IC-301-72・・・当サイトではおなじみのユニバーサル基板です。この基板を使う際の注意事項が「ここ」にありますので必ずお読みください。


部品の頒布・・・とりあえず、この記事に該当するものを公開しました。→ http://www.op316.com/tubes/buhin/buhin.htm


●改造と製作

<注意事項>

基板の改造にあたっては、どちらの基板も共通のこつと注意点があります。両基板ともにベタアースを含む多層基板であるため、熱伝導が非常に良いのでハンダごての熱をどんどん吸収拡散します。非常に細かい作業になるので細いこて先を使いたくなりますが、こて先が細いと熱の供給が追いつかずに基板の放熱に負けてしまい、こて先を当て続けてもハンダが溶けてくれません。こて先は太すぎず細すぎずの中くらいが作業性が良いです。熱と不純物で疲労したハンダはトラブルの原因となるのでこまめに除去する必要があるため、作業ではハンダ吸い取り線(または器具)は必須です。

<AKI.DAC基板の製作・改造>

キット付属のCR類と新たに用意したCR類と線材を基板に取り付けます。

<手順1>C3,4,5,6,11,14,16,17,R6,7,8,9を取り付けます。C11(1500μF)は大きいのでうまく収まるようにリード線を斜めに曲げてやります。
<手順2>RCAジャックを取り付ける穴を流用して10kΩを取り付けます。ここからL/Rのアナログ出力とアースの線の引き出しも同時に行います。アース線はL/Rいずれか一方だけから引き出します。
<手順3>LEDの線(赤/白)をハンダでチョン付けして引き出します。非常に狭い場所なのでとにかくくっついて導通してくれたらよしとします。
<Bluetooth基板の改造>

Bluetooth基板の改造も細かい作業と空中配線になります。基板上のハンダは少し吸い取ってから作業しないときたなくなったり、山が大きくなりすぎて隣との誤接触になります。OPアンプのピンの位置は間違えやすいので注意してください。

<手順1>出力抵抗2.2kΩを33Ωでバイパスさせます。
<手順2>負帰還抵抗47kΩと並列になる「1μF+4.7kΩ」を取り付けます。
<手順3>ライン入力RIN〜GND〜LIN間をショートさせます。
<手順4>外部アンテナのためのバイパスを配線します(詳しい解説はこちら)。
<手順5>外部LEDへの線を引き出します。
注:左下の画像の470μF/16Vは省略します。
<アクティブ・フィルタ基板の製作>

基板のジャンパー線の扱いについてはこちらの記事を参照してください。OSコンは金属ケースですが一応絶縁されています。しかしメーカーは絶縁性を保証していませんので基板に実装する際にはジャンパー線に接触しないようにすこし浮かせて取り付けてください。実装されている画像は実験的要素も含むので右側のパターン図や頒布している部品とは必ずしも一致しませんのでご注意ください。(画像をクリックして拡大・ダウンロード)

<ケースの加工>

3枚の基板と部品はぎりぎりのところでケースに収まりますが油断すると失敗します。私は見通しを誤ったためにRCAジャックとAKI.DAC基板がぶつかってしまいました。後面の画像で変な穴が開いているのはその失敗の残骸です。参考のために以下に私が製作した加工図を公開します。製作にあたっては、闇雲にこの図面を真似るのではなく、必ず実物を当てて確認しながら作業を進めてください。特に3個のLEDはすべて直径が0.1mmずつ異なりますので、ドリルビットは2.9mm〜3.2mmあたりを0.1mm刻みで用意されることをおすすめします。(画像をクリックして拡大・ダウンロード)

<アンテナの実装>

アンテナについては解説を別に分けました。こちらを参照してください→ 「Bluetooth用2.4GHzアンテナの工作

<ケースへの実装と全体の様子>

電源は、DCジャックから電源スイッチを経由して一旦アクティブ・フィルタ基板に入ります。Bluetooth基板への供給電源はアクティブ・フィルタ基板からもらいます。AKI.DAC基板およびBluetooth基板からのアナログ出力は、セレクタ・スイッチを経由してからアクティブ・フィルタ入力に入ります。アクティブ・フィルタの出力はRCAジャックにつながっています。Bluetooth基板からの出力(out端子)は左右が逆です。付属のシールド線の場合、赤=L-ch、白=R-chですのでお間違いのなきよう。

アースラインの引き方は右図のとおりです。

Bluetooth基板のアースとAKI.DAC基板のアースは、前面パネルの後方に立てた3P立てラグを中継にして合流してからアクティブ・フィルタ基板の入力付近のアースにつなぎます。アクティブ・フィルタの出力付近のアースと後面パネルに取り付けたRCAジャックのアースをつなぎます。

RCAジャックのアース・リングは、L/Rを密着させた穴に0.9mm径の銅線を通して固着させています。こうすることでRCAジャックを固定しているナットを締め付けた時にアース・リングが勝手に回転してしまうのを防ぐことができます。

この作例では、アンテナを固定しているSMAコネクタが前面パネルと接触して導通しているので、アンテナの取付け部がシャーシアース・ポイントになります。ケーブル・アンテナ一体型を使う場合は、アンテナのところではシャーシアースが取れないため、中継点の立てラグかRCAジャックのところでシャーシアースを取る必要があります。

アンテナのコネクタのところでシャーシアースが取れているので、RCAジャックは白い絶縁リングを使ってRCAジャックのCold側がパネルと導通しないように配慮しています。なお、タカチのHENシリーズのケースは絶縁性があるアルマイト処理なので、単に接触させただけでは十分な導通が得られないことがあります。必ずテスターでアースラインとケースとの間で導通がとれているか確認してください。

右端の画像において、後面の左下の丸穴は位置を間違えて開けてしまったものです。


●製作のヴァリエーション・・・パッシブ・プリ仕様

以前、DAC内蔵のパッシブ型ライン・コントローラを作ってパワーアンプとともに某大学のアートマネジメント研究室に寄贈したことがあります。スピーカーはちょっと贅沢にHARBETHを導入し、講座やゼミで活用してくれているそうです。今回、こんなものを作ったので入れ替えることにしました。

Version3.0の構成を少しだけアレンジして、パッシブ型のプリ機能を追加しています。追加したのは、4回路3接点のロータリースイッチによる入力セレクタと音量調整ボリュームで、追加した部分以外の回路は全く同じです。入力ソースは、USB-DACとBluetoothのほかにスルーのLineの3つになっています。本機で使っているツマミは以前頒布していたものですが、すでに廃番となっておりこれは取り壊したアンプからの流用です。


●特性

出力電圧(USB-DAC):1.78V(0dBFS)、0.91V(-6dBFS)
出力電圧(Bluetooth):1.74V(0dBFS)、0.98V(-6dBFS)
出力インピーダンス:150Ω
周波数特性(USB-DAC):6Hz〜20kHz(+0.2dB、−1dB)
周波数特性(Bluetooth):10Hz〜20kHz(+0.4dB、−1dB)
残留雑音(USB-DAC):65μV(帯域80kHz、歪率データより推定)
残留雑音(Bluetooth):160μV(帯域80kH、歪率データより推定z)
電源:USB-VBUS(23mA〜30mA)、DC12V〜15V(80mA〜100mA)

測定では、PC上に用意したWAVデータを変換せずにiTunesにインポートしたものと、同じデータをそのままiPhoneに取り込んだものを使いました。周波数特性、歪み率特性ともになかなか優秀な結果が出ました。S/N比は条件が悪いBluetoothにおいても80dB以上を得ています。


●コメント

差動1段の回路方式はUSB.DAC用のバッファアンプとして採用してから3代目にあたりますが、基本回路はそのままに初のアクティブフィルタを組み込んだ方式となりました。そこのところがどう変化するのかが気になるところでしたが、出来上がってみるとナチュラルでありながらワイドレンジ感のあるヌケの良い音に仕上がっています。

全く同じソースを使って、PC上のiTunes+USB-DACで再生した音と、iPhone側に移してiPhone+Bluetoothで再生した音とを区別することは難しいです。

操作性が良くなかなか快適です。Bluetoothをペアリングしていない状態ではLEDの点滅が目障りということでLEDを後面に移動させていますが、それでも点滅が壁に反射して気になることがあります。私はLEDと並列に10kΩを抱かせてLEDの明るさをかなり落としましたが、Bluetooth基板への電源供給を切れるように目立たないとkろにスイッチを追加するという選択肢もあると思います。



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